恐竜たちが大暴れする『ジュラシック・ワールド』シリーズの新章が8月8日(金)に公開された。夏はやっぱり、気分爽快な大作アクション映画を劇場で楽しみたい。
一作目の驚きを超えられるか?
スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』が日本で公開されたのは1993年。本物の恐竜をカメラで捉えたかのような映像は、映画史における革命と呼ばれ、我々観客もそのリアルな描写力に度肝を抜かれたものだ。
世界中で大ヒットしたこの映画はシリーズ化され、以降5作品が製作された。当時に比べると現在の技術的な進歩には目を見張るものがあるが、一作目の驚きを超える作品はいまだ現れていないように思う。そして今回、キャストを一新して作られたのが『ジュラシック・ワールド/復活の大地』である。
巨額の報酬を得るために、恐竜たちが生息する危険な地域へと向かった秘密工作員のチーム。彼らのミッションとは、人類を救うための新薬の開発に必要な、陸海空の3大恐竜のDNAを採取することだった。

屋外ロケの大迫力も見どころ
今回、メガホンを取ったのは、大作映画における演出力に定評のあるギャレス・エドワーズ。全方位から襲いかかってくる恐竜との死闘を描く本作はまさに見せ場の連続だが、とりわけ海や川でのアクション・シークエンスは出色の出来栄えだ。
ちなみに撮影は、すべてをCGに頼ることなく、極力海外の屋外ロケ地にセットを建てて行われた。最新の映像技術を駆使しながらも、どこかいい意味でアナログの手触り感があるのはそのためだろう。内容的にも自然界に対する人間の憧憬や畏怖心をしっかり描いている点に好感が持てる。一作目は超えていなくとも、そのエッセンスを上手に取り込んだ、見応えのある作品に仕上がった。

■ジュラシック・ワールド/復活の大地
前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から3年ぶりとなる本作を監督したのはギャレス・エドワーズ。低予算の『モンスターズ/地球外生命体』で注目を浴び、その後は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』といった大作を任されるようになった。
脚本を手掛けたのは、1作目の『ジュラシック・パーク』のデヴィッド・コープ。3大恐竜のDNAを採取するという危険なミッションに挑むヒロインを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。彼女はもともとこのシリーズの大ファンで、プロデューサーのスピルバーグに直談判して、この役を勝ち取った。134分。8月8日(金)全国ロードショー。配給:東宝東和
文=永野正雄(ENGINE編集部)
(ENGINE2025年9・10月号)