2025.09.17

CARS

教習所のインストラクターが交通事故を起こしたら資格を取り消されるのか?その条件を解説

運転の指導をするインストラクターは国家資格を持っている

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2025年9月15日、埼玉県川口市の教習所で行われていた安全運転のイベントにおいて、60代のインストラクターが運転する大型バイクが参加者にぶつかる事故が発生し4人がけがをした。

安全運転を教える立場の人が人身事故を起こすことがあってはならないが、このような場合に教習指導員の資格を取り消されるのだろうか。

教習所のインストラクターが公安委員会から資格を返納するよう命令される条件とは?

教習所のインストラクター(教習指導員)は、公安委員会が交付する資格(教習指導員資格者証)を受けている場合がほとんどだ。

しかし、場合によっては、公安委員会から教習指導員の資格を返納するよう命令されることがある。返納命令がされる主な条件は以下のとおりだ。



【教習指導員資格者証の返納命令がされる主な条件】
・危険運転致死傷、過失運転致死傷、無免許運転をした場合など
・アルコールや薬物などを摂取した状態で運転した場合
・卒業証明書や修了証明書の発行に関する不正をした場合
など

上記の他にも細かな規定があるが、危険運転および安全な運転をしていない場合、教習指導員の業務において不正をした場合に公安委員会から資格を返納するよう命令される。

今回の教習所のイベント中に発生した事故の原因は、現時点(9月16日の朝)で明らかになっていないため、公安委員会から教習指導員の資格を返納するよう命令されるかどうかは不明。

もし、過失運転致死傷が成立した場合は、当該インストラクターは公安委員会から教習指導員資格者証を返納するよう命令される可能性が高いだろう。

教習所の指導員は自ら危険を学び事故を起こさないようにしなければならない

安全運転を教える立場の人が、他者を巻き込む交通事故を起こしてはならない。

このようなことが二度と起きないよう、教習所の指導員および検定員をはじめとする職員は、交通事故の原因や交通社会における危険を自ら学び、事故を起こさない運転技術や知識などを身につけるよう努めなければならないと筆者は考える。



自動車(クルマやバイク)を運転する際に起こる危険を学べる場所は多くないが存在はしている。指導員や検定員は自己研鑽のためにも危険を学べる場所へ出向き、自動車の限界性能や危険が近づいているときの挙動などを知る必要があるといえるのではないだろうか。

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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