2025.09.24

CARS

混み合う銀座の街を自動運転のアリアが走った!日産の次世代ProPILOT(プロパイロット)搭載車が2027年度に発売予定

次世代ProPILOT搭載車は2027年度に量産車に搭載される予定

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日産自動車は、2027年度に日本市場への投入を予定している次世代運転支援技術「ProPILOT(プロパイロット)」の開発試作車によるデモンストレーションを東京・銀座にて実施した。この次世代プロパイロットは不測の事態にも対応できる高度運転支援システムとなっている。

状況の変化に適応する運転支援システムの「次世代ProPILOT(プロパイロット)」

「日産、ついにここまでやっちゃったか」と思える技術を搭載した運転支援技術を搭載した試作車のアリアには、イギリス・ロンドンのWayve(ウェイブ)社の複雑な交通状況に対応するように設計されたソフトウェア「ウェイブAIドライバー」が搭載されている。

今回公開された車両は、次世代LiDARによる「グラウンド・トゥルース・パーセプション」技術(カメラ・レーダーのセンサーフュージョンにより周囲の形状・位置を高い精度で3次元計測が可能になる技術)を活用した次世代ProPILOTシステムによる運転支援技術の新しい基準を提案するものとなっている。

さまざまな交通状況に対応できる運転支援システムを搭載する

この開発試作車には、11個のカメラ、5個のレーダーセンサー、1個の次世代LiDARセンサーを搭載。



これらのセンシング技術と高精度なソフトウェアを使い、周囲のすべての情報を包括的に把握し、次に起こることや自身の行動が及ぼす影響を予測することで熟練ドライバーのような安全運転を可能としている。また、高速な処理能力により、急な状況の変化に直ちに対応できるように備えているのも特徴だ。




ウェイブのAIは、人間の認知や行動のプロセスの洞察に基づき、個々の物体の動きに対する反応を学習するのではなく、周囲のすべての状況の変化の過程の学習に重きを置き、多様な現実世界の事象を学習。この学習過程により、経験を積んだ注意深い人間のような複雑な状況でも的確な判断をすることが可能となっている。

銀座で披露されたデモンストレーションでは、都市部の複雑な交通環境に高度な運転支援システムで対応し、安全に走行する様子を見せた。

技術とともにユーザーのリテラシーも高める必要がある?!

これまで日産は、高速道路単一車線(ProPILOT)から複数車線(ProPILOT 2.0)と段階的に技術進化をしてきた。次世代ProPILOTでは、複雑な一般道を含む走行において信頼できる運転支援技術を実現しようとしている。



日産のチーフ テクノロジー オフィサーの赤石永一氏は次のように述べている。

「現行のProPILOT 2.0は高い評価を得ていますが、次世代ProPILOTはさらに革新的な変化をもたらし、熟練ドライバーが運転しているかのような安心感を提供します。さまざまな交通状況に対応し、ドライバーはもちろん、道路を利用するすべての人々にとって、より高い安心感と安全性をもたらします」

次世代ProPILOTは、2027年度中に日本国内市場向けの一部量産モデルに搭載される予定だ。



なお、搭載される次世代ProPILOT車は、運転席に乗員が座り監視する必要がある自動運転レベル2。つまり、何らかの事態が起きた場合は運転者の責任となる。

事故を起こす可能性が低いクルマが登場するのは楽しみだが、これらの技術の進歩とともに、このシステムを使うユーザーのリテラシーも高めていかなければならないのではないだろうか。

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)
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