9名からなるエンジン時計委員会が理性と情熱で熟考チョイス。21世紀の第2クォーターを共に過ごすに相応しい、「自信をもって推せる、あるいは自分で買いたい」アンダー100万円のタイムピースを厳選。柴田 充がイチオシするのは、ブルガリから「ブロンゾ クロノグラフ」だ。
ブルガリ ブロンゾ クロノグラフ 91万3000円
スポーティでスタイリッシュな代表作「ブルガリ アルミニウム」のコレクションで初となるブロンズを採用したモデルが登場。
アルミニウムとは異なり、サンドブラスト加工のブロンズとブラックラバーが絶妙なコントラストを成す最新作は、同コレクションの特徴的なデザインと、経年変化でいっそう味わいが増すブロンズ素材感が同時に楽しめる。自動巻きクロノグラフ。ブロンズ、チタンケースバック、ケース直径41mm、100m防水。
スマートな価値ある遊び心を感じる

金の高騰が続いている。日本では20年で価格が5倍以上になったとか。有事の金ともいい、その輝きには不穏な影を感じないわけではない。
そんな身近な金といえば時計だが、高値が続くこちらも、金素材だからしょうがないというあきらめもある。だが資産価値としてはいいかもしれないが、まず手が出ないし、手に入れてもおいそれとは着けられない。着けられない時計に価値は見いだしにくい。
そこで真の価値ある時計として選んだのがこちら。ケース素材にブロンズを採用し、これなら気負うことなく着けられるし、使い続けるうちに深まる渋金パティーヌの味わいも楽しみになる。
ブルガリはこうした素材使いにじつに長けている。これまでのアルミの軽快感も素敵だし、ブレスレットデザインにラバーを用いたフィット感も絶妙だ。
ブラックのベゼルやプッシュ類に対してブロンズもさりげなく、スポーティなクロノグラフに気品が漂う。それにゴージャスなスタイルにブルガリの銘が入っていれば誰もが金だと思うに違いない。それこそスマートな価値ある遊び心だ。
問い合わせ=ブルガリ・ジャパン Tel.0120-030-142
文=柴田充
(ENGINE2025年12月号)