2026.01.25

CARS

ランチア・イプシロンに試乗 こんな洒落たイタリア車を待っていた 隣にフェラーリやGクラスが並んでも気にならない

【全2回の(前篇/後篇)の前篇】
クルマに限らず、ファッションやインテリアの世界でも「オシャレ」と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、やっぱりイタリアでしょう! というわけで、アルファ・ロメオ・ジュニアとアバルト500e、そしてブランド再構築中のランチアの最新モデル、イプシロンという今、日本で手に入る3台の小さなイタリア車を集めて、西川淳60歳(モータージャーナリスト)、佐藤玄45歳、村山雄哉26歳(共にエンジン編集部員)の3世代で語り合った。

とにかくハッピー、人生楽しんだもん勝ち

西川 僕ら還暦世代はスーパーカーブーマーで、イタリア車はなんでも最高! なんだけど、二人はどう?

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佐藤 45歳の僕らってもうスーパーカー世代ではないんです。どちらかといえばドイツ車好き。正直、イタリア車なんてクルマの仕事を始めるまでは興味も何もなかった。



西川 で、乗ってみてどう思った?

佐藤 モノづくりのフィロソフィーや熱量がしっかり出ている。見た目の華やかさだけでなく、魂を感じます。そして最後はとにかくハッピー。

西川 人生楽しんだもん勝ち、みたいな。もっと若い人はどうだろう?

村山 26歳になったばかりの“若人”ですが、私もドイツ車の方に親近感がありました。初めて乗ったイタリア車は新しい方のフィアット500。この仕事でイタリア車に触れるようになって、イメージがようやく膨らんできました。そこにあるだけで気分がアガる、華やぐ感じがします。

西川 それってなんで?

村山 色づかいも含めたデザイン?

西川 今日のアルファ・ロメオは真っ黒やけどなぁ(笑)。



佐藤 近所の奥さま連中もドイツ車には「良いクルマですね」って決まり文句しか返ってこないんですけど、イタリア車だとたいてい「なんてクルマですか?」って興味を持つ。イタリアのアルファ・ロメオですよ、っていうと「オシャレですね」。たぶん、イタリア=オシャレ。

西川 結局のところ“イタリアだから”なんだよね。イタリアとイタリア人に対して我々日本人が持ってる良し悪し含めたイメージかな。ジローラモさんがそばにいると楽しいよね、やっぱり。彼の笑顔を見るだけでこっちも嬉しくなる。イタリア車のイメージとよく似ているでしょ。でもあっさり裏切られるとかさ(笑)。

イタリア的ラグジュアリー

佐藤 ランチアは初めて乗ったんですが、見た目が一番オシャレでした。小さいクルマはオシャレであるべき。

西川 どうしてそう思うのかというと、ヒエラルキーから解放されたいからでしょう。

佐藤・村山 (声を揃えて)なるほど!

試乗車は「カーボックス横浜」が並行輸入して販売するデモカーで、アルファ・ロメオ・ジュニア等と共通の「CMP」プラットフォームを採用するマイルド・ハイブリッド「イブリダ」の最上級仕様だ。

西川 ちっさいクルマって安いし下に思われがち。軽自動車も。でも洒落てさえいてくれたら胸張って“俺、好きでこれ乗ってるねん”て思える。

佐藤 小さくてもオシャレなクルマって、既定のランキングには入らないですね。イプシロンはそうでした。

西川 隣にフェラーリやGクラスが並んでも気にならない。でもゴルフに乗ってたら“Gクラスか”となる。

佐藤 誰しも自分のモノサシで生きていきたいと思うけど、なかなか難しいですから。

ゴージャスな内装の仕立てはイタリアの高級家具ブランド「カッシーナ」とのコラボレーションによるもの。

西川 とにかくランチアって、今、ブランドとして走りのイメージも再構築している最中でしょう。その答えがイプシロンだとみているんだけれど、乗ってみてどうだった?

佐藤 プラットフォームもパワートレインも同じジュニアと比べて、随分としっかりしている印象です。

西川 アルファとは対照的だよね。

佐藤 ステアリングもずっしりとしていて、ちょっと驚きました。



村山 同じく僕もランチアは初めて。動きが落ち着いていて、ひとまわりもふたまわりも大きなサルーンに乗っているように思えました。

西川 アタリがとっても柔らかくて、でも決してふにゃふにゃじゃなくて。インテリアの雰囲気とかもいいよね。

佐藤 センターコンソールの円形トレイは使いやすかった(笑)。レザー遣いも上手い。



西川 日本のメーカーなら傷がつくから革なんて張らないか、傷はつかないけれど味気ないレザー風を使う。

村山 そもそもトレイなんて思いつかないです。でもイタリア車はほんと革の使い方が上手ですね。

西川 革を張る前提のデザインができるんだよ。昔から使ってきたから。

佐藤 バッグとかシューズも同じ。



西川 とにかくランチアは今、アルファのスポーツ性とは対極のイタリア的ラグジュアリーを追求するブランドになりたいんだと思うよ。

佐藤 道のりはハードかも。

西川 他のイタリアンだって険しい。このイプシロンはすごくいいクルマだった。このまま新たなモデルが続けば面白い展開になると思うな。

後篇【コンパクトでもラグジュアリーなランチア・イプシロンと比べて、アルファ・ロメオ・ジュニアやアバルトにはどんなお洒落さがあったのか?】

話す人=西川 淳(まとめも)、佐藤 玄(ENGINE編集部)、村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=神村 聖 取材協力=Stellantisジャパン、カーボックス横浜、横浜国際プール

■ランチア・イプシロン

駆動方式 フロント横置きエンジン+1モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4070×1750×1470mm
ホイールベース 2540mm
車両重量 1230kg
トレッド(前/後) 1515/1515mm
エンジン形式 直列3気筒DOHCターボ
総排気量 1199cc
最高出力 136ps/5500rpm+21.8ps/4264rpm(システム合計145ps)
最大トルク 230Nm/1750rpm+51Nm/750-2499rpm
トランスミッション 6段DCT
サスペンション(前) ストラット/コイル
サスペンション(後) トーションビーム/コイル
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ(前後) 205/45R17
車両本体価格(税込) 548万円(参考価格)

(ENGINE2026年1月号)

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