【全2回の(前篇/後篇)の前篇】
「ファッションの都」がパリであるように、オシャレなクルマと言えば当然フランス車! シトロエンC3ハイブリッド、ルノー・ルーテシア・ハイブリッド、そしてDS3の小さなフランス車3台に、モータージャーナリストの森口将之さん、竹岡圭さん、荒井寿彦さんが乗ってそれはなぜなのか? を考えた。
ガラッと変わったC3
荒井 ちょっとオシャレなコンパクトカーと言えば、フランス車ということで、ここではシトロエンC3ハイブリッド、ルノー・ルーテシア・ハイブリッド、そしてDS3の3台に乗りました。早速、上陸したばかりのシトロエンC3ハイブリッドの印象から伺います。まず、フランス車の先生、森口さんから。
森口 シトロエンBXが出たときに、シトロエン好きは「えーっ!」と声を上げたんです。シトロエンと言えば流れるようなボディ・ラインが魅力だったのに、カクカクしたデザインで登場したからです。新型C3はそれ以来の激変じゃないですか?
竹岡 C3って初代からころんと丸い感じだった。2代目は金魚鉢と呼ばれてたでしょ? ところが新型は何? SUVなの? 普通だったら名前を変えると思う。
森口 シトロエンだけじゃなくルノーもそういう気がします。デザイン部門のトップが替わるとイメージがガラッと変わる。それはアパレル・ブランドと似てますよね。つまり、シトロエンもルノーもファッションとして考えているんじゃないか。同じイメージを引き継いでいくドイツ車とはまったく違いますね。
荒井 グローバリゼーションのもとでは各国共通で受け入れられるもの、あるいはどの国でも批判されないものというのがモノ作りの前提になるから、クルマの個性を際立たせるのが難しくなっていると思う。ましてや、ステランティス・グループは多くのブランドを抱えてプラットフォームを共有化している。そうなると、ブランドの違いってもうデザイン以外にないんじゃないかと。クルマにとってデザインの重要度がさらに高くなった。C3のデザインがガラッと変わったのも当然かもしれない。
森口 シトロエンC3のカラーとマテリアルを手掛けたデザイナーは柳沢知恵さんという日本人の女性です。先代のC3にも関わっていた。ガラッと変わっていく新型C3のデザインを横目で見ていた。激変をどう思いますか? と聞いたんです。そうしたら「常に新しいことに挑戦できるので、私はとても楽しいです」と。シトロエンには常に新しいものを提供するという姿勢があるんだと思いました。
荒井 内装材はかなり節約したと思うけれど、それがかえって素朴な感じを出していて良かった。
森口 ファブリック素材のダッシュボードが珍しい。コクピットという意識よりも部屋のなかにメーターがある雰囲気です。
竹岡 アームレストにタグを付けたりしてポップな演出が上手だよね。
荒井 乗り味も素朴。ブレーキ・フィールも含めて熟成しなければならないところが結構あると思ったけれど、そういうのも許せる。豪華じゃないけれど居心地がいいんだ。2CVを思い出した。
竹岡 そうね。所有欲を満足させる感じがする。あえて選んだぞ! と。
森口 ステランティスという大所帯になってからは、シトロエンの親しみやすさというかヒューマンな感じを打ち出そうとしていますね。
竹岡 トンガリ方向はDSに任せる。
◆座談はこの後ルーテシアとDS3、そしてそもそもフランス車の魅力はどこにあるのかで大盛り上がり。この続きは【後篇】で!語る人=竹岡 圭+森口将之+荒井寿彦(まとめも) 写真=望月浩彦
■シトロエンC3ハイブリッド
駆動方式 横置きエンジン+モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4015×1755×1590mm
ホイールベース 2540mm
車両重量 1270kg
エンジン 直列3気筒ターボ+モーター
排気量 1199cc
最高出力 101ps/5500rpm(モーター20ps)
最大トルク 205Nm/1750rpm(モーター51Nm)
変速機 6段DCT
サスペンション 前 マクファーソン・ストラット/コイル
サスペンション 後 トーションビーム/コイル
ブレーキ 前/後 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ 前&後 205/50R17
車両本体価格 339万円~
(ENGINE2026年1月号)