2026.03.17

CARS

「パスポート」「インテグラ」だけじゃない⁉︎ 左ハンドルのまま輸入されたホンダ車は過去にもあった!|初代「アコード・クーペ」を覚えていますか?

3代目アコードをベースに作られたアコード・クーペ、生産は北米で行われた。

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ホンダの北米生産モデル「パスポート」、「インテグラ」の国内導入が正式にアナウンスされたが、なんと左ハンドルのまま導入されるということで大きな話題を呼んでいる。だが実は過去にも左ハンドルのまま導入されたモデルが存在していたことをご存知だろうか?

アメリカ生まれの帰国子女

それが1988年に登場した「アコード・クーペ」だ。3代目CA型アコードをベースとした2ドア・クーペで、開発はアメリカのホンダR&Dノース・アメリカが担当しており、生産は同じくアメリカのHAM(ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチュアリング)が行った。その北米向けモデルが、なんと左ハンドルのまま日本にも輸入された。



それまで日本の自動車メーカーが、自社の海外工場で生産されたクルマを輸入して国内で販売した前例はなく、この「アコード・クーペ」が初の事例となった。なお当時の日本は空前のバブル景気とハイソカー・ブームなどもあり、”日本メーカーのクルマでありながら左ハンドル”という物珍しさから大きな話題を呼んだ。

この「アコード・クーペ」はハンドル位置はもちろんのこと、多くの装備が"北米仕様"のまま輸入されていた。



ボディ体型のバンパーは5マイル衝突対応仕様となっていたほか、運転席にはドアを閉めるだけで自動的にシートベルトの肩ベルト部分が装着される「パッシブ・シートベルト」を装備。スピード・メーターの数字はマイルとキロメートルが併記されるなど、パッと目につくところでも、普通の国産車にはない異彩を放っていた。



インテリアはアメリカらしく豪勢な造りで、ステアリングは本革巻き仕様。シートにも上質な本革を採用しており、当時の国内のホンダ車と比較してもワンランク上の設えだった。

オーディオにはBOSE社製のシステムが組まれているのだが、アメリカでの設計を生かし同社直々に監修を入れている。これはアコード・クーペのボディの形状や、シート位置、素材など考慮した上でのチューニングが施された専用品で、今でこそ車種専用のオーディオをオプションで搭載するクルマが多くなってきたが、当時を考えると非常に先進的な装備だったといえるだろう。

パワートレインはA20A型の2リットル直列4気筒SOHCエンジンで、最高出力は120ps/5800rpm、最大トルクは166Nm/4000rpmを発揮し、トランスミッションは4段ATのみ。ゆったりとハイウェイを流すGTカー、といった立ち位置で、当時の価格は260万円だった。

左ハンドルの日本車はまだまだ続く!

その後、1990年には4代目アコードをベースとした2代目へとバトンタッチ。引き続き生産はHAMが担当し、日本への輸入が行われた。



なお、このモデルからは右ハンドル仕様も用意されるようになり、日本国内での利便性が向上したものの、ハイソカー・ブームに代わって訪れたRVブームの影響で、同じく北米から輸入されたアコードのステーション・ワゴン版、「アコードU.Sワゴン」の方が人気が出てしまうという現象が起きてしまった。

1994年には3代目へとモデルチェンジが行われたが、バブル崩壊に伴う景気低迷により販売は振るわず。鳴物入りで市場を沸かせた「アコード・クーペ」だが、時代の流れには逆らえずひっそりと日本市場から姿を消すこととなった。



……とはいうものの、この「アコード・クーペ」を皮切りに「シビック・クーペ」や、近年では「WR-V」など、海外生産の車両が日本に持ち込まれて販売されること自体は珍しい話ではなくなった。そして今回、既報のとおりホンダから新たに北米生産の「パスポート」と「インテグラ」の2車種が日本へと導入される予定だ。

この2車種がこれらかつての逆輸入販売車種と違うのは、久々に"左ハンドル"のまま日本へと導入されるということだ。

ちなみに「パスポート」と「インテグラ・タイプS」の現地での価格は、前者が4万4950ドル〜(約716万円)、後者が5万3400ドル〜(約850万円)となっている。日本が底抜けに元気だったあの時代とは状況が異なる今、これらのクルマが一体市場にどのような影響を与えることになるのか、今後の展開から目が離せない。

文=浅石祐介 写真=本田技研工業

(ENGINE Webオリジナル)
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