2026.03.18

CARS

「あほちゃう⁉︎」と笑い転げるほど楽しい|自動車評論家の松田秀士が思わずのけぞる常識外れのEV「アバルト500e」に試乗

松田秀士さん、斎藤聡さんが試乗した「アバルト500eツーリズモ・ハッチバック」。

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毎年恒例「エンジン・ガイシャ大試乗会」、2026年もやります! 大磯プリンスホテルの大駐車場に総勢33台の輸入車を一挙に集め、33人のモータージャーナリストがまる一日かけてイッキ乗り! 2026年上半期イチオシの各ニューモデルにそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開。

EVになのに吠えまくる? 電気サソリ、アバルト500eツーリズモ・ハッチバックには、松田秀士さん、斎藤聡さんが試乗。内燃エンジンも真っ青の痛快リポートをお届けする。

>>>清水草一さん、小川フミオさん、竹花寿実さんのリポートはこちら<<<


「あほちゃう?!」(笑)松田秀士

アバルト500eは、「あほちゃう?!」と笑い転げるほど楽しい。この小さくパーソナルな世界にモーター駆動を持ち込んだことで、コクピットという閉鎖された空間で煩悩を爆発させられる。

ホームページを見ると“サソリの毒気は、電気によって次なるフェーズへ”とある。確かに! 毒だらけだよ、このBEVは。まったくドライバーを退屈させない。

BEVなのにチューニングされたICEのようにエグゾースト・ノートを室内だけでなくそこいらじゅうにバラまく。これがまたこの小さなボディに似合ってる。冗談だけど、もしかしてエンジンが載ってるんじゃない? とボンネット・フードを開けると軽くスーっと持ち上がった。ダンパーが付いているんですよ、だからつっかえ棒はナシ。BEVだから開けることほとんどないのに、こういう無駄をちゃんとしてくれる魂が好き。



しかし、今度は重いリア・ゲートを開ける。するとバズーカ砲のような充電アダプターが鎮座。これを使わないとチャデモで急速充電ができないのだ。でも嬉しくなって充電してしまう自分が好き

「サソリの毒は後から効く」斎藤聡

昨今の地球規模のEV化の動きは、世界中をカオス状態に陥れた結果、ひと回りしてユニークなBEVが登場することとなりました。その代表的な一台がアバルト500eだと思います。街中を買い物の足としてゆっくり走っているときは、特に刺激もない平凡なクルマであり、普通のBEVです。

ところが、有料道路の短い合流でアクセルを目いっぱい踏み込むと、文字通り脱兎のごとく鋭く加速します。このあたりにアバルトの片鱗を感じます。そして、本領を発揮するのは山道に踏み込んだ瞬間です。



マイルドな乗り心地と静かさはがらりと変わり、鋭く加速し、カーブでは重心の低さが手伝ってビタッ! とタイヤが路面に張りついたかのようなコーナリングを披露します。機敏さと安定性を見事に両立させているのです。面白いことに、飛ばすとマイルドさが影を潜め、シビアさと刺激が表に出てきて、ドライバーをチクチク刺激するのです。帰るときにはアバルトの魅力にどっぷり。サソリの毒は後から効いてくるのです。



■アバルト500eツーリズモ・ハッチバック
フィアット500の全面変更にともない、アバルトもBEVに進化。フロント1モーターの前輪駆動で、出力は500eより37ps/15Nm大きい155ps/235Nmを発生する。全長×全幅×全高=3675×1685×1520mm。ホイールベース=2320mm。車両重量=1360kg。航続距離=303km。車両価格=615万円。

文=ENGINE編集部 写真=神村 聖/望月浩彦

(ENGINE2026年4月号)

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