毎年恒例「エンジン・ガイシャ大試乗会」、2026年もやります! 大磯プリンスホテルの大駐車場に総勢33台の輸入車を一挙に集め、33人のモータージャーナリストがまる一日かけてイッキ乗り! 2026年上半期イチオシの各ニューモデルにそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開。
今回は車重がたったの540kgのケータハム・スーパー・セブン2000に試乗した大井貴之さん、金子浩久さん、斎藤慎輔さんのリポートをお送りする。
>>>高平高輝さん、山本シンヤさんのリポートはこちら<<<
「50年の進化を感じる」大井貴之
ボディカラーがとても素敵。フレアード・ウイングタイプのフロント・フェンダーがスーパーセブンを優雅なスポーツカーに仕立て上げている。ボディカラーにコーディネートされたシート、ウッド・ステアリングや、クローム仕立てのフィラー・キャップなどのアクセントがお洒落に効いているセブンの高級バージョンだ。

50年の進化を感じるのはLEDのデイライトが装着されていること。加えてオールアルミ製の2リッター直4で最高出力172psを発生するフォード製デュラテックエンジン。そしてしなやかに路面を捉えるビルシュタイン製のダンパーくらいなのだが、これらの纏まりが素晴らしい。
たった172psといっても車重は590kg。ここまで軽いと人間の重量が動力性能に影響するが、同乗者ありの試乗であっても、加速力はもちろん高回転の伸びも文句なし!
普段は素敵な別荘のリビングに飾っておきながら、近場のワインディングをドライブ……なんて使い方が出来たら、間違いなく最高のご褒美だ。
「超絶的な非日常体験」金子浩久
最新のEVとは対極にあるケータハム・スーパー・セブン2000。ロンドンのコノリーで誂えた一張羅のムートン・ジャケットと、ハウィックのカシミアのマフラーとビーニーなどで完全武装して走り始めたが、即、返り討ちに。

ドアが無いので上半身と顔が冷たい風に叩かれっ放し。モトリタ製のウッド・ステアリングは素手の方が滑らないだろうとグローブを脱いでしまっていたからさあ大変。西湘バイパスを走り始めて、すぐに指の感覚がなくなってきた。幸いにダッシュボード上にヒーターのファンスイッチを発見し、同乗者と2人で指を温めた。
料金所からのダッシュで各ギア目一杯に引っ張ってみるが、ちょうど制限速度の70km /hが精一杯だ。それ以上出すと肉体の限界がくるし楽しくもない。「夏は夏で大変でしょうね」。超絶的な非日常体験になることは覚悟していたが、真冬の西湘バイパスでのスーパー・セブンは一大事なのだった。でも、その非日常を同乗のYさんは堪能してくれたので甲斐があった。
「ひたすら軽さにこだわる」斎藤慎輔
スーパー・セブンが時を経るほどに、むしろ新鮮さが増すと感じるのは、多くのスポーツカーが更なる速さと快適性の両立を目指し「重さ」という足かせを避けられない中で、ひたすら軽さにこだわるという在り方と、車両側の制御に頼らない唯一無二のドライビング・フィールがあるからだ。
今回試乗したスーパー・セブン「2000」は、レーシーな雰囲気の「340」をベースに、ケータハム初期のスーパー・セブンの佇まいを内外装に施したものだ。どうあれ、たった590kg(車検証記載)しかない車重と、最高出力172psを発揮する2リッター直4デュラテックエンジンによる走りは、普通に運転する分には意外にも扱いやすさ抜群。

一方で、それなりに攻めて走らせようとすると、トラクションのかけ方やアクセルワークなど、基本的なドライビング・テクニックとしっかり向き合う必要がある。でも寒空の下、風に晒されながらも、なんだかんだ一番気分が盛り上がったのはこのクルマだった。
写真=神村聖/茂呂幸正/望月浩彦/小林俊樹
■ケータハム・スーパー・セブン2000全長×全幅×全高=3380×1575×1115mm。ホイールベース=2225mm。車重=560kg。1970~80年代のスタイルを現代技術で再現したヘリテージモデル。フォード製2リッター直4デュラテックエンジン(172ps、174Nm)を搭載し、0-100km /h加速は5.0秒以下。車両価格=1146万2000円。
(ENGINE2026年4月号)