2026.06.29

CARS

まるで猛獣の背中に跨がっているかのよう|自動車評論家の清水和夫がランボルギーニ・テメラリオほか5台の注目輸入車にイッキ乗り

清水和夫さんが試乗した5台の輸入車のインプレッションを紹介!

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2026年上半期イチオシのニューモデル33台にそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開している恒例の「エンジン・ガイシャ大試乗会」のリポート。今回は自動車評論家の清水和夫さんが試乗した、5台のインプレッションを一挙紹介!

ベントレー・コンチネンタルGTCマリナー「動物ならアハルテケ」

ベントレーの歴史は面白い。高性能車の証として早くからル・マン24時間レースに参戦し、その性能と耐久性を世界に示してきた。その後ロールス・ロイスの傘下に入り、高級車のDNAが注入される。そして現代のベントレーは、レースと高級車という一見して矛盾する2つの顔を持つ、世界でも唯一無二の高級車に成長した。電動化技術を手に入れると、さらに力強く、圧倒的な気品と優雅さを兼ね備えている。


 
その昔、ベントレーが生産される英国のクルーで面白い話を聞いた。木目内装で「人面模様」を欲しがる顧客リストが存在するそうだ。世界で一つのベントレーを欲するユーザーが少なくないという。VWグループの一員となったとき、ベントレーは革シートと木目インテリアのエキスパートなのだと聞いたことがあった。

もし動物でたとえるなら、「黄金の午」と揶揄されるアハルテケではないだろうか。トルクメニスタン原産の馬で、スピードと持久力が取り柄。まさに1920年代にル・マンで活躍したベントレーに似ている。

ランボルギーニ・テメラリオ「孤高の王」

最近、血の匂いがするスポーツカーが少なくなった。ところがテメラリオは、プンプンと血の匂いがする。スロットルを踏み込むと、リアに捕獲されていたV8が目を覚まし、檻から出てきた猛獣が吠えまくる。



その猛獣の正体はランボルギーニ・オリジナルの120度V8ツインターボ。そこにモーターを内蔵したギアボックスがドッキングし、フロント・アクスルには左右独立のツインモーターを備える。つまり究極のハンドリングAWDが完成しているのだ。

油断すると猛獣の背中に跨がる自分が振り落とされる恐怖を感じる。だがハンドリングは正確無比で、コーナーのエイペックスは一撃で狙い落とせる。

テメラリオを動物でたとえるなら虎だろう。これほど孤高で、ほかのスポーツカーの群れに仲間入りしない存在だからだ。ライオンが「群れの王」なら、虎は「孤高の王」。助手席の客人は私が猛獣にやられるのを楽しみにしていたようだが、しっかり調教してハンドルを握ったので、死闘は避けることができた。

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