2026.07.30

CARS

ドライバーは女性限定!過去最高の盛り上がりをみせる「競争女子」が戦う凄いレース 10年目を迎えたKYOJO CUPが開幕

ワンメイク・マシンで女性限定。ドライバー同士の戦いにフォーカスを当てた「競争女子」ことKYOJO CUPが今、過去最高の盛り上がりをみせている。

2017年の創設以来、今年で10年目を迎えた女性ドライバーによるレース・シリーズ「KYOJO CUP」が5月9・10日に富士スピードウェイで開幕した。

Finalのスタート直後。ポールポジションの富下李央菜選手(39号車)を、2番グリッドのジョアンヌ・チコンテ選手(10号車)が追う。

KYOJOの生みの親はル・マン24時間レースを日本人として初めて制した関谷正徳氏。関谷氏はモータースポーツを「人を育て、社会に根付く文化へと発展させたい」という想いを掲げる。マシンではなくドライバー同士の戦いに光を当てたワンメイク・レース「インタープロト」を2013年に立ち上げたことでも知られるが、これと同じ理念に立ち、ジェンダーによるフィジカルの違いや競技人口の差から解放された「女性が主役になれる」レースとして生まれたのがKYOJOCUPなのである。

KYOJOのピットウォークの様子。他の国内レースシリーズと同様、観客数は近年急増している。この開幕戦では、インタープロトシリーズとの併催大会として過去最多の9400人が来場した。

KYOJOは当初、パイプフレームの軽量マシン「VITA」でスタートして参戦コストや競技のハードルを低減。参加者やスポンサーの輪を広げ、2024年の最終戦には37名ものドライバーがエントリーする人気シリーズとなった。そこで昨年から、KYOJOのトップ・カテゴリーとして加わったのがFIA-F4相当のマシン「KC-MG01」を用いた「KYOJOFORMULA」だ。2年目となる今年は、ハイブリッド・システムが取り外されて大幅な軽量化(マシン重量610kg)を実現。タイムアップや接近戦が期待される、その開幕戦を観戦した。

KYOJO VITAも継続して併催。15台が走った。

20名が年間エントリーに名を連ねた今年の開幕戦。2日間・2レース制で開催される公式予選の一番時計(1分43秒604)は19歳(当時)の富下李央菜選手だ。10周で争われるSprintでは、慣れないレースリーダーに「これまでにないほどに緊張した」とコメントしつつも、後続をしっかりと抑えてポール・トゥ・ウィン。Sprintの着順でスタートして12周を争う2日目のFinalでも、序盤から圧倒的な速さを見せつけ、自身初となる完全優勝を果たした。

Finalで、3位スタートの佐藤こころ選手(38号車)に5位スタートの斎藤愛未選手(36号車)が迫るシーン。斎藤選手は3位表彰台を果たした。

2レースともに3ワイド、4ワイドの競り合いが次々と繰り広げられたレースは片時も目が離せない盛り上がりぶりで、これからの日本のレースシーンをさらに活気づけるポテンシャルに溢れていると感じさせるものだった。20名中、6名が海外出身ドライバーという多様性は、関谷氏が語る「日本のKYOJOを、各国の女性ドライバーが目指す『世界』にしたい」という夢を、早くも実現し始めているのかもしれない。次戦は7月18・19日。どんな戦いを楽しませてくれるだろうか。

文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=インタープロトモータースポーツ

(ENGINE2026年8月号)

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