デザイン、メカニズム、歴史と伝統、かかわった人々の想い……。腕時計はそれらを語り、時に誇るに値する魅力的な機械だ。みずからの手で触れて操作し、質感や動きを確かめるのは愉しい。見つめ、見つめられる特別な存在でもある。自動車もしかりで、だから私たちはトケイとクルマの両方をこよなく愛する。“ENGINE Magazine × Watch × Car”の世界観をお楽しみください。
今回はロードホイールを彷彿とさせる、6組の“爪”を持つエンジンターンド・ベゼルが特徴的な、モーリス・ラクロアのタイムピースを紹介する。
AIKONIC AUTOMATIC 43MM【右】

「AIKON」をベースにしながら、多様な素材や高性能ムーブメントによって高級感を高める「AIKONIC」。黒を基調とした新作は、ステンレススティールのケースにセラミックベゼル、カーボンダイアル、サファイアクリスタルを組み合わせ、ナイロン風テクスチャーが印象的なバイラバーストラップを装着。60時間パワーリザーブが備わる新開発の自動巻きムーブメントML1000も注目ポイント。
ケース直径43mm、10気圧防水。50万2700円。
AIKON MANUAL CLUB JAPAN EDITION【左】
モーリス・ラクロア・クラブ・ジャパンの創設者、Koji Nakazawa氏とのコラボレーションによるこの手巻きの日本モデルは2024年に初登場。今回の新しい500本限定モデルでは、ヴィンテージライクなサンド・シャンパンカラーのダイアルを採用。薄型ケース、2針ノンデイトのダイアル、手巻き仕様が再び時計愛好家を魅了する。
ステンレススティール、ケース直径39mm、10気圧防水。メタルブレスレットとレザーストラップの2本付属。43万6700円。
気分はマニュアル回帰|菅原 茂
このごろ思う。クルマや時計はもとより、どんなプロダクトでもシンプル・イズ・ベストだと。シンプルとはいえ、ただの機能的な道具じゃおもしろくない。シンプルという存在理由に一種のかっこ良さがなくては、自分の愛用品にはなりえないと思う。たとえばこの手巻き「AIKON」。初めて見た時の印象は「おっ、やるな!」。マニュアルですよ、しかも2針ノンデイトというミニマムデザイン。引き算で成立するかっこ良さに魅力を発見した。先進技術や機能満載のハイテクプロダクトだと、主導権がプロダクト側にあるような気がしてくるが、これなら大丈夫。自分という主体を抜きにしては機能しないから。マニュアルにこだわるクルマ好きにもおすすめだ。
抜群のフィット感!|高木教雄
いずれのモデルもベゼル備わる2本1対×6つの爪が目を引くが、実はコレクションは異なる。フルスティール製は「アイコン」、セラミックベゼル側は「アイコニック」。1990年代に一世を風靡した「カリプソ」のスタイルを受け継ぐこれらは、その名の通りメゾンの象徴である。フラットなケースにブレスレットやストラップを統合し、ダイアルにニュアンスを付けたスタイルは、ラグジュアリースポーツ時計の王道。同様のモデルは数多いが、ベゼルで個性を主張し、存在感を放っている。ケースは比較的薄く、強めに曲げたラグからひと続きになるブレスレットやストラップは幅広で腕なじみ良好。フィット感に優れているのは、ドライビング・ウォッチとしての絶対条件だ。
文=ENGINE編集部 写真=宇田川 淳
問い合わせ=サイプレストレーディング support@cypresstrading.co.jp
(ENGINE2026年8月号)