デザイン、メカニズム、歴史と伝統、かかわった人々の想い……。腕時計はそれらを語り、時に誇るに値する魅力的な機械だ。みずからの手で触れて操作し、質感や動きを確かめるのは愉しい。見つめ、見つめられる特別な存在でもある。自動車もしかりで、だから私たちはトケイとクルマの両方をこよなく愛する。“ENGINE Magazine × Watch × Car”の世界観をお楽しみください。
今回はエドックスのダイバーズウォッチを紹介。艶消しオールブラック文字盤に光沢のある針とインデックスを配し、“静かな視認性”を実現。
エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ オートマティック ジャパン リミテッド エディション

海神ネプチューンから想を得て作り出した「ネプチュニアン」は、タフネスを徹底追求したプロスペックのダイバーズウォッチ。日本100本限定モデルは従来のイメージを塗り替える特別なデザイン。ブラックPVD加工を施したステンレススティールのケースやセラミックを用いた逆回転防止ベゼルとの統一感を演出したマットブラックのダイアルは、「静かな視認性」というアプローチのもと、針とインデックスだけが浮かび上がるように設計され、時刻表示に集中するように日付表示を省いたノンデイト仕様だ。
自動巻き。パワーリザーブ約68時間。ケース直径42mm、30気圧防水。ラバーストラップとバリスティックナイロンストラップの2本付属。42万9000円。
まるで高性能SUV。黒の美学|松尾健太郎
近年の高性能SUVには、“ブラックアウト仕様”が増えている。メルセデスAMG G 63のナイトパッケージや、ランドローバー ディフェンダー OCTA ブラックは、その代表例だ。マットブラックのボディ、艶を抑えたホイール、スモーク化されたディテール──。そこには派手さではなく、機能性と威圧感を重視する現代的な美意識がある。エドックスのこの日本限定ダイバーズは、その感覚を腕時計へ落とし込んだ一本である。ケースからダイアル、ストラップまでブラックで統一された外装を持ちながら、68時間パワーリザーブや高い防水性能を備え、その本質はあくまでプロフェッショナルツールだ。静かだが、圧倒的にタフ──そんな美学を体現した腕時計なのである。
スピードの先に広がる明鏡止水|柴田 充
エドックスは防水技術の先駆であり、代表作のクラスワン(現在のクロノオフショア)は海のF1と称えられる最高峰のパワーボートレースから生まれた。海上でも極限のスピードに挑戦する情熱に変わりはない。クルマとの結びつきは、近年ではBMW M モータースポーツとパートナーシップを締結し、BMW M2カップの公式計時を担ったことで知られる。かつてはWRCやダカールラリーでも公式タイムキーパーに就任し、スリリングな世界観を表現したクロノラリーはラリーファンにも高く支持されている。ネプチュニアン グランデ リザーブ日本限定は、そんな熱狂とは打って変わり、静謐なオールブラック。スピードの先に広がる明鏡止水を感じさせるのだ。
文=ENGINE編集部 写真=奥山栄一 スタイリング=川田真梨子 撮影協力=イタリア自動車雑貨店
問い合わせ=ジーエムインターナショナル Tel.03-5828-9080
(ENGINE2026年8月号)