2019.03.26

CARS

アウディのフラッグシップモデル、先進テクノロジーを搭載するA8

〔ラグジュアリー編#1〕Audi A8 60 TFSI quattro/アウディA8 60 TFSI クワトロ

移動の概念が変わる 島下泰久

どこから見ても隙の無いハイクオリティな内外装に、まずは改めてのため息を1つ。偏執狂的こだわりとも言えるが、ここまで究めれば芸術だ。見た目から想像する通り、アウディA8の乗り味は実に硬質。あらゆる部分がピシッとしていて歪みも狂いも迷いもなく、凄まじい精度を感じさせる。V型8気筒4ℓツイン・ターボ・エンジンのパワーに不足があるわけもなく、しかもこの体躯にしてとても良く曲がる。クルマとの一体感は濃いとは言えず、むしろ浮遊感というか、宇宙船にでも乗っているかのような不思議な感覚を覚える。

しばらく走らせるうちに、これは本当にクルマなんだろうか?という思いに駆られてしまった。クルマではなく、あくまでアウディ。この世界に惚れ込んでしまった人は、プレミアム・カーと言われるものでも他のクルマはもう乗れなくなってしまうのかもしれないなと感じた。単に高級だというより、クルマでの移動の概念すら変えてしまうのが、A8というクルマなのかもしれない。
 

"カニ"みたいな存在 藤原よしお

いきなりだが、僕にとってアウディA8は"カニ"みたいな存在だ。なぜか?4世代目となったA8が、軽量で高剛性な新しいスペースフレーム・ボディや、走行状況に応じて可変制御するクワトロ、48Vのマイルドハイブリッド、エアサスペンションなどの新技術を投入したハイエンド・サルーンであること、また試乗車が460psの4ℓV8ツインターボの"60"というモデルでオプションの4輪ステアを搭載した先端技術の満漢全席状態なのは理解していた。

しかし、どんなに耳を澄ませて感覚を研ぎ澄ましたつもりでも、A8はどこまでもスムーズに走り、一体どこで何がどう作動しているのか、まったく察することができなかった。でも、凄く静かで乗り心地が良くて快適で速くて良く曲がり良く止まり、レーザースキャナーを搭載した前車速追従型のアダプティブ・ドライブ・アシスタントの精度と制御が素晴らしかったことは、よ~くわかった。完敗です。

まるで精密機械のようなクオリティと優雅なデザイン

〔読者コメント〕
乗り心地がとても良く、つつまれるような車内も素敵だった。(宇佐美雅也さん)
大きい車体からは想像できない運動性能と安定性が同居している。(丹羽克久さん)
コクピットからの眺めは今まで見たことがない感じ。最先端の機能美。(藤本治生さん)
ハンドルの切れ角が少なく曲がる4WDが良い。(中村孝治さん)
MMIのコントロールがダイヤルからタッチパネル式に変わっており、アウディMMIの進化を感じました。(中向恵一さん)
4輪操舵により、曲がれないコーナーであってもスイスイ曲がっていく姿に大変驚いた。(Y・Mさん)
最新のビジネス・エクスプレス。あの加速と乗り心地なら仕事の移動もクルマ好きでなくとも至高の時間となる。(長藤憲司さん)
すべてがゆとりのクルマでした。スラロームも滑らか。乗っているのと、外から見ている印象が一致する一台。(横田誠人さん)


アウディA8 60 TFSI クワトロの解説&走行動画はこちら
2018年に日本に上陸したアウディのフラッグシップ・サルーンの最新モデル。自動運転技術のレベル4を見据えたレーダー、カメラ、超音波、そして最新のレーザースキャナー技術を搭載するほか、後輪操舵、アクティブLEDヘッドライトなどの先進装備も備える。内装はインテリア・デザインを一新し、視覚と触覚を駆使した近未来的な最新のマルチメディア・インフォテインメント・システムを装備する。4リッターV8DOHCターボは最高出力=460ps/5500rpm、最大トルク=67.3kgm/1800-4500rpmを発揮。8段ATを介して4輪を駆動する。全長×全幅×全高=5170×1945×1470㎜。ホイールベース=3000㎜。車両車重=2110㎏。車両価格=1510万円。

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写真=茂呂幸正(メイン)/鈴木勝(サブ)

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