本格派クロカンSUVの最高峰に君臨してきたレンジローバーだが、このところ、ガソリン・エンジン以外にもプラグイン・ハイブリッドやディーゼルをラインナップに加えてきている。試乗したモデルは3ℓV6ディーゼルを搭載したオートバイオグラフィ。高い着座位置のシートに乗り込んでエンジンを始動すると、遮音が行き届いた車内では、耳を澄ますと遠くのほうで野太いビートが聞こえてくる。61.2kgmもの圧倒的なトルクは2.3tを超える車体をゆったりと前に押し出すもので、どこまでも優雅な振る舞いは紛れもなくレンジローバー。
ステアリングを切り込めば、路面を捉えているタイヤの感触が、手のひらに伝わる反力からよどみなく感じとることができる。滑らかな絨毯の上をすべりゆくような感覚は心地いいの一言。インテリアはダッシュ・ボードやシートに始まり、ピラーやサン・バイザーに至るまで、仕立ての良いレザーが張り込まれている。みなぎる力と豊かさを手にして望む景色は最高のものだ。
驚くのはこのモデルが、レンジローバーのラインナップの真ん中ぐらいに位置していることだ。上にはSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)という部門が手がけた超ド級のスポーティ・レンジローバー、SVRなどが存在する。でも自分で運転して快適なドライブを嗜好するひとには、このオートバイオグラフィが頂点といっていいと私は思う。運転席に身を落ち着けると、シートの座り心地や全体の品質感ゆえ、幸福感に包まれる。
自動車では"アドレナリンが湧き上がる"などの表現が常套句だが、"幸福"なる言葉が浮かぶ点でも、希有なモデルといえるのではないか。試乗したのは3ℓV6ディーゼル搭載車だ。61.2kgmという大トルクとエンジン音の静かさゆえ、マッチングはかなりよい。ゆったりとした快適な乗り心地と、それでいて、ダイレクト感を保持しているステアリングも好ましい設定だ。乗るひと第一の思想を持った、他の追随を許さないクルマだ。
〔読者コメント〕
●月並みながら「砂漠のロールス」を実感。「何があっても大丈夫」と思わせる圧倒的安心感でした。(杉浦啓修さん)
●内装の出来の良さ、静粛性は流石です。アイポイントが高く快適でした。(栗原泰夫さん)
●とにかく優雅。オフロードも良いが、ロンドンのメイフェアなどを流している気分にさせる。(鈴 琢磨さん)
●クルマの中に住みたい。圧倒的な内装の上質感。乗り心地も含めてすべてが高級。(斉藤貴志さん)
●素晴らしいクルマでした。ディーゼル感もなく、本日の1番にしよう。(乃美浩一さん)
●高級感がすごい! SUVに興味がなかった私でも欲しくなるクルマでした。(中田太郎さん)
●イギリス職人の魂を感じました。(益田史明さん)
●ディーゼル感がまったくなく、心地よさがありました。(久島久美子さん)
昨年改良を受け、ヴェラールと共通のデザインの顔つきとなったレンジローバー。試乗車は中間グレードのオートバイオグラフィ(とはいえ贅を尽くした内装の仕立ては特筆もの)で、2ℓガソリン+モーターのPHEVや5ℓV8ガソリンも選択可能だが、今回はディーゼル・モデル。最高出力258㎰/3750rpm、最大トルク61.2kgm/2000-2500rpmを発揮する3ℓV6ターボ・ディーゼルはフロントに縦置きされ、8段ATを介して4輪を駆動する。全長×全幅×全高=5005×1985×1865㎜。ホイールベース=2920㎜。車両重量=2390㎏。車両価格=1739万円。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
写真=茂呂幸正(メイン)/神村 聖(サブ)
advertisement
PR | 2024.12.06
CARS
純内燃エンジン搭載のプレミアム・コンパクト・スポーツ、アバルト69…
2024.12.04
LIFESTYLE
現実となった夢のカメラ 焦点距離43mmのライカQ3が登場 超高性…
2024.12.02
CARS
順調な開発をアピールか? マツダ次世代のロータリー・スポーツ、アイ…
PR | 2024.11.27
CARS
14年30万kmを愛犬たちと走り抜けてきた御手洗さんご夫妻のディス…
2024.11.24
CARS
これこそ本物のドライバーズ・カーだ! メルセデス・ベンツEクラスと…
2024.11.23
LIFESTYLE
森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わ…
advertisement
2024.12.07
パ・リーグ新人王・武内夏暉投手 とりたての免許と初めての愛車 夢のカーライフがスタート!
2024.12.02
順調な開発をアピールか? マツダ次世代のロータリー・スポーツ、アイコニックSPについてキーマンが語る
2024.12.04
現実となった夢のカメラ 焦点距離43mmのライカQ3が登場 超高性能レンズ、アポ・ズミクロンを搭載!
2024.12.05
プラモ好き、集まれ! タミヤ プラモデルファクトリー 新橋店がリニューアル デジタルでは味わえないリアルな模型の楽しさとは?
2024.12.01
僕のグッドフレンド 88歳のオーナーがXJ6とEタイプのジャガー2台に、ずっと乗り続けている理由とは?