プラネタ家は5世紀、17世代にわたって、シチリアでワインを造り続けている。1985年、先代・ディエゴ氏のすすめで、娘フランチェスカ女史、従兄弟のアレッシオ氏、サンティ氏の3人でプラネタ社を設立した。当時20代だった彼らが、これまでに成し遂げた最大の成果は、シチリア・ワインを格上げしたことである。PLANETA Ulmo(プラネタ・ウルモ)ワイナリーにて、イタリア国内マーケット営業部長のサンティ氏に、その道のりについてインタビューした。
「1985年当時のシチリア・ワインは、まだ“安ワイン”というイメージがありました。私たちはまずシチリアの土壌のすばらしさを伝えるため、国際品種のシャルドネ、メルローを栽培することから始めました」
10年後、プラネタのシャルドネは、国内外のコンテストで高評価を受けて、シチリア・ワインのイメージを一新した。そのシャルドネはパワフルで、今では10年以上経たヴィンテージも人気となっている。
「古来シチリアには、ブドウ作りに適した多様な土壌があり、様々な土着品種がありました。それをどう生かしていくかが、その後の課題でした」
現在、プラネタはシチリア全土5地域で350haのブドウ畑を所有している。それぞれの土壌に適した土着品種を栽培するだけでなく、代表的なネロ・ダーヴォラは、4つの土壌で造るなど、実験的な試みも続けている。
「最近は世界的に和食がブームになるなど、食事があっさりとした傾向になっています。プラネタのワインも時代に合わせて、香りの華やかさや味わいの繊細さを重視しています。シチリアの土壌と品種の多様性があるからこそ、様々なニーズに応えることができるのです」
今回のインタビュー時、サンティ氏自らワインを選び、4つの土壌で作るネロ・ダーヴォラの赤ワインをテイスティングさせてもらった。どれも香りが華やかで、味わい滑らか。サンティ氏はその違いを、綿や絹に例えて説明したくれた。同じブドウ品種でも土壌によって個性が変わることを。
サンティ氏インタビューとプラネタ・ワイナリーの動画はこちら。
最後に、シチリア中のレストランを知る、美食家・サンティ氏に「おすすめレストラン」を聞いてみた。訪れる際は、プラネタのワインを、ぜひ!
サンティ氏「おすすめレストラン」(リンク先はイタリア語・英語)
◇Palermo「Bye Bye Blues」
◇Licata (Agrigento)「La Madia」(2つ星)
◇Ragusa「Il Duomo」(2つ星)
◇Modica(Ragusa)「Accursio」
◇Siracusa「Don Camillo」
◇Noto(Siracusa)「Il Crocifisso」
◇Piazza Armerina(Enna)「Al Fogher」
◇Catania「Sapio」
◇Taormina(Messina)「La Capinera」
◇エオリエ諸島サリーナ島/Malfa Salina(Messina)「Hotel Signum」
文=山元琢治(ENGINE編集部) 写真=増田岳二 協力=日欧商事株式会社
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2024.12.02
CARS
順調な開発をアピールか? マツダ次世代のロータリー・スポーツ、アイ…
PR | 2024.11.27
CARS
14年30万kmを愛犬たちと走り抜けてきた御手洗さんご夫妻のディス…
2024.11.24
CARS
これこそ本物のドライバーズ・カーだ! メルセデス・ベンツEクラスと…
2024.11.23
LIFESTYLE
森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わ…
2024.11.21
CARS
日本市場のためだけに4台が特別に製作されたマセラティMC20チェロ…
PR | 2024.11.21
LIFESTYLE
冬のオープンエアのお供にするなら、小ぶりショルダー! エティアムか…
advertisement
2024.11.25
アウディRS3、VWゴルフRと頂点を争うホットハッチ、メルセデスAMG A45が終焉を迎える
2024.11.27
20年前のクルマとは思えないほど良好なコンディション アルファ・ロメオ156 GTAに乗る湯浅洋司さん やっぱりエンジンが素晴らしい!
2024.11.25
G-SHOCKと青春を過ごしたすべての人に! 日本の伝統技術が生かされた64万9000円のG-SHOCK
2024.11.27
いま旬は、コンパクトなサイズ ケース直径36.5mmのグランドセイコー ヘリテージコレクション 44GS
2024.11.23
森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わった築74年の祖父母の日本家屋 建築家と文筆家の夫妻が目指した心地いい暮らしとは?