2019.10.06

CARS

メルセデスAMG A45SとAMG CLA45Sにスペインのサーキットと一般道で試乗 脱帽です!

A45SとCLA45Sの421psものパワーを発揮する2ℓ直4ユニットはまるでマルチシリンダーで高回転型の自然吸気エンジンのようだった。

世界最強の4気筒2ℓエンジンを積むAMG、A45とCLA45が現れた。従来の35シリーズのさらに格上のモデルだが、まず顔つきがまるで違う。前フェンダーも大きく膨れあがっている。


見た目だけでなく中身も35シリーズとは大違いだ。まずエンジンの向きが180度変わり、前方排気から後方排気になった。モデルが代替わりするような時であればともかく、単なる高性能バージョンの開発にこ こまでするのは異例だが、これは高出力を得るための大型ボールベアリング・ターボチャージャーが低いノーズの中に入らなかったためで、開発チームはCAD上でユニットやパーツをあれやこれやと組み合わせたという。


クランクやピストンは鍛造品を使用し、デュアル燃料噴射(直噴+ポート噴射)も採用。こうして 421 ps&51kgmというスペック(A45SおよびCLA45S用)を誇るアファルターバッハ製M139ユニッ トは生まれた。


変速機は新開発のAMGスピードシフトDCT8段。そして、もう1つ注目すべきは4駆システムだ。新たにAMGトルクコントロール(電子制御多板クラッチを左右ドライブシャフト上に備える)付きリアアクスルを採用。従来のAMGパフォー マンス4マチックでは路面環境やドライビング・スタイルに応じてフロント100〜50%、リア0〜50%の割合で連続的に駆動力を前後へ配分していたが、このうちリアへの配分をさらに左右輪に向けて0〜100%までアクティブに分割。


例えばタイトベントにおいては外側のリア・タイヤにより多くのトルクを配分することで内側へより素早く切り込んでいける。さらに積極活用すればドリフトも比較的容易にできる、らしい。


4気筒とは思えない

試乗の舞台はハラマ・サーキット。 先導車はベルント・シュナイダーのメルセデスAMG GT Rだ。ドライブ・モードをレースにしてスタート。習熟走行ながらチャレンジングなハラマを彼はまずまずの速度で引っ張る。キレッキレに変速するDCTや、操舵に対して瞬時に反応する車体の動きに早くも舌をまいた。


さらに本格アタックとなると、面白いように内を向く。A45Sはリアが流れスッとエイペックスへと近づく感 。一方、お尻の長いCLA45はリアの動きがまだしも緩やかでコントロールしやすい。脱出時にリアが流れ出す感覚を楽しみつつ、そのまま強引に曲がっていけるのは、新たなシャシー制御の賜物だろう。


事前にスペックから想像していたのは乱暴極まりない加速だったが、良い意味で肩すかしをくらった。先代のようにドッカンとピーク・トルクに達することはなく、高回転にいけばいくほどパワーがリニアに付いくる。まるで下から力のある高回転型マルチシリンダーの自然吸気エンジンのようなパワー&トルクフィールだ。これには、脱帽した!


パワートレインのトピックといえば今や電気一辺倒と思っていたが、 内燃機関もまだまだ捨てたもんじゃない。それを4気筒エンジンで証明してみせるあたり、ドイツ高性能ブランドの矜持というべきだろう


ドライブ・モードの切り替えはステアリング中央パッド右下のダイヤルで行う。
フロント・シートはヘッドレスト一体型のバケット・タイプに。
荷室容量はベース・モデルから変化はない。
0-100km/h加速はA45Sが3.9秒、CLA45Sが4秒。最高速度はA45S、CLA45Sともに270km/h。欧州仕様のラインナップはA45/A45S 、CLA45/CLA45Sの4モデルだが、日本市場へは高出力仕様の "S"のみ導入される予定だ。

メルセデスAMG CLA45S 4マチック


 駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動 全長×全幅×全高 4693×1857×1413mm ホイールベース 2729mm トレッド(前/後) 1616/1597mm 車両重量 1585kg エンジン形式 水冷直列4気筒ターボ ボア×ストローク 83.0×92.0mm 排気量 1991cc 最高出力 421ps/6750rpm 最大トルク 51kgm/5000-5250rpm トランスミッション 8段デュアルクラッチ式自動MT サスペンション(前) マクファーソンストラット サスペンション(後) マルチリンク タイヤ(前/後) 255/35ZR19/255/35ZR19 車両本体価格 未定

メルセデスAMG A45S 4マチック


 駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動 全長×全幅×全高 4445×1850×1407mm ホイールベース 2729mm トレッド(前/後) 1597/1558mm 車両重量 1545kg エンジン形式 水冷直列4気筒ターボ ボア×ストローク 83.0×92.0mm 排気量 1991cc 最高出力 421ps/6750rpm 最大トルク 51kgm/5000-5250rpm トランスミッション 8段デュアルクラッチ式自動MT サスペンション(前) マクファーソンストラット サスペンション(後) マルチリンク タイヤ(前/後) 235/35ZR19/245/35ZR19 車両本体価格 未定

メルセデスAMG A35と、メルセデス・ベンツCLA、
CLAシューティングブレークがやって来た。


3モデルが一挙に上陸!

メルセデス・ベンツ日本はA45S/CLA45Sの導入前に、まずA35およびCLA、CLAシューティングブレークのお披露目を行った。ラインナップは306psを発揮する2ℓガソリン・ターボと4輪駆動の組み合わせとなるA35 4マチック(628万円)と、224ps仕様のCLA250 4マチック(534万円)とCLA250 4マチック・シューティングブレーク(544万円)、そして2ℓディーゼル・ターボで前輪駆動のCLA200d (472万円)とCLA200dシューティングブレーク(482万円)の計5モデル。デリバリーはA35とCLAが10月、CLAシューティングブレークは12月を予定している(価格はすべて8%税込)。
 


文=西川 淳

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement