1941年に誕生した手巻き式クロノグラフに永久カレンダーを統合したグランド・コンプリケーションは、ブランドの技術とステイタスを象徴する。伝統を受け継ぎ、プラチナの初採用とデザインもよりクラシカルに(表紙にも掲載)。手動巻き。プラチナ、ケース直径41㎜、3気圧防水。税別2038万円。
1940年代のユニークピースから着想を得て、現行モデルでは初めてワールドタイマーと30分積算クロノグラフを融合した。トラベルユースの実用性と共に、ブルーを纏い、スタイルはよりモダンに進化。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径39.5㎜、3気圧防水(P6にも掲載)。税別821万円。
パテック フィリップに匹敵する、ENGINE ならではのカーセレクションは「ポルシェ911Sタルガ 973」。数ある名車の中でも、その美しいフォルムと希少性、性能の高さで知られる、まさに永遠に遺したい1台である。
3つの窓で表示する年次カレンダーと組み合わせたクロノグラフは、60分計と12時間計をひとつのインダイヤルに据え、文字盤 全体の視認性を損なわないデザイン。中央のクロノグラフ秒針は、通常はセンター秒針としても機能する。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40.5㎜、3気圧防水。 税別717万円。
傑作「年次カレンダー搭載クロノグラフ Ref.5960/01」。月末の30日と31日を自動的に判別する年次カレンダーは、1996年にパテック フィリップが特許を取得した画期的な機構だ。その革新性は約半世紀前のポルシェ911S登場時の衝撃にも似ている。ブルーの文字盤上で時を刻む赤いクロノグラフ針が、コクピットの計器類と見事に共鳴する。
ワールドタイムの中でもコンテンポラリーかつ個性的なモデル。左プッシュで時針と連動した都市名リングと24時間表示リングを簡単に設定できる。文字盤には右頁のモデルと同じくギヨシェ装飾が施され、南十字星を思わせるオープンワークの時針と菱形の分針を備える。自動巻き。ローズゴールド、ケース直径38.5㎜、3気圧防水。税別529万円。
今回カップリングした「ポルシェ911Sタルガ 1973」のボディカラーは、メタリックゴールド。シックに装うならば、やはり同じゴールドケースの「ワールドタイム Ref.5230」がふさわしい。ドライビングから解放された一瞬、ヒストルカルピースの懐中時計からインスパイアされたという、カゴの網目をかたどった精細なギヨシェが、文字盤内で黄金色に輝く。
近代科学の時間の概念とは、直線上にある過去と未来との間を、現在という1点が一定の速度で動くというものだ。しかし、それは止まった時の連続性に過ぎない。本来、時間 は止まることなく、動き続ける。例えば砂時計の動きを考えてみよう。現在という一粒の砂が落ちていく。けれどもその瞬間に、別の砂が同時に落下している。時間とは微妙に重なり、連なった、間断のない流れだ。
現在は、過去と未来を含んでいる。パテック フィリップのタイムピース は、そうした時間の真理を私たちに教えてくれる。「パテック フィリップ・シール」という、独自の規準による品質保証で、過去と未来を往来しながら、永久修理を担保する。そして「世代から世代へ」という継続的なブランド理念によって、時代を超えて人々の心を鷲づかみにする。つまり、そこにあるのは未来に遺すにふさわしい価値なのだ。
クルマがここから学ぶことは多いだろう。オールドタイマーを自動車博物館に閉じこめるだけでなく、いつまでも乗り続けられるよう、メーカーの取り組みも始まっている。
技術は行きつ戻りつしながら、進んでいく。主体となるのは、やはり人間であり、リュウズを巻く瞬間に時を生み出す実感が得られるように、ステアリングを握った自由な開放感は時空を超える。未来に遺したいのは、そんな感動なのである。(柴田 充)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
2024.12.02
CARS
順調な開発をアピールか? マツダ次世代のロータリー・スポーツ、アイ…
PR | 2024.11.27
CARS
14年30万kmを愛犬たちと走り抜けてきた御手洗さんご夫妻のディス…
2024.11.24
CARS
これこそ本物のドライバーズ・カーだ! メルセデス・ベンツEクラスと…
2024.11.23
LIFESTYLE
森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わ…
2024.11.21
CARS
日本市場のためだけに4台が特別に製作されたマセラティMC20チェロ…
PR | 2024.11.21
LIFESTYLE
冬のオープンエアのお供にするなら、小ぶりショルダー! エティアムか…