東京の蕎麦シーンでは数年前から新しい潮流が生まれている。それは蕎麦のテロワールを楽しもうというもの。上質なワインやコーヒーを通じて"産地の味"に敏感になった人々が、産地の味を前面に出した蕎麦を打ち始めているのだ。
たとえば大正11年創業の老舗「小松庵総本家」が昨年オープンした銀座店は、茨城県奥久慈産や栃木県都賀町産など、異なる産地の蕎麦を食べ比べられるメニューを用意。
名物の「はじまりの蕎麦」には、季節の肴と共に2種類の産地の十割蕎麦が登場する。これをつゆではなく水にくぐらせ、塩やオリーブオイルで味わえば、産地ごとの旨味や甘味の濃淡、ポリフェノール感の違いが歴然。
熟練の職人が打つ蕎麦は喉越しよくなめらかで、自家製のつゆにつければおなじみの美味しさにも出会える。一方、洋の要素を取り入れた料理もあり、「チーズそばがき」はワインにも日本酒にも合う逸品だ。
こうした画期的なメニューは、「蕎麦はもっと復興する余地がある」と信じる三代目、小松孝至社長の考えで生まれたもの。東京の蕎麦は戦後、GHQの命令で全て機械打ちになり、その後手打ちの技術が復興したものの、業界では効率が重視されてきた。
小松氏は職人の技と地位を向上させ、新しい食べ方を提案しながら、さらに蕎麦文化を花開かせたいという。
東京都中央区銀座5-7-6 i liv 14F
Tel.03-6264-5109
営11:00〜14:00 LO、17:00〜22:00 LO(コースのみ21:00 LO)
不定休(4月11日より臨時休業中)
tenpo.komatuan.com/shop/ginza
※価格は税サービス料別
文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=古田登紀子
(ENGINE2020年6月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2025.01.24
CARS
42台のそれぞれのディスカバリー物語【誕生35周年企画「私のディス…
2025.01.25
LIFESTYLE
まるで南国リゾートのような家 東京の自宅の隣にローコストで別荘を建…
PR | 2025.01.16
CARS
一歩足を踏み入れるとそこはパリ? 新しくなったルノー練馬・アルピー…
2025.01.20
LIFESTYLE
オリジナルプリントは必見! フォトグラファー・秦 淳司さんによる、…
2024.12.30
CARS
【海外試乗】蘇ったルノー5ターボ! EVだけど、これは乗ってみたい…
PR | 2024.12.24
CARS
「ベビーカーの頃からガタガタ道が好きでした」父から受け継いだ初代に…
advertisement
2025.01.14
日産サクラの2倍以上の電池容量で、価格はほぼイーブン アンダー300万円のカッコカワイイ小型SUV、ヒョンデ・インスターがオートサロンで発表!
2025.01.27
「最初は実感が湧かなくて、マジで俺のクルマかよ!?って感じでした(笑)」 若くしてポルシェ911カレラを買ったオーナー 嬉しさのあまり毎日乗ってます
2025.01.20
世界初となる日産フェアレディZ(S30)用アルミ・パネルをはじめ、クラシック・カーの外装パーツを新素材で蘇らせる!
2025.01.28
普通AT免許で運転できるトラック、いすゞエルフ・ミオを休みの日にも使える仕様にカスタマイズ
2025.01.25
アンティーク調でスズキ・ワゴンRスマイルの「大人かわいい」を極めたコンセプト・モデル