何かの間違いではないだろうか?「 グリップ」のケースに日本語のカタカナで「グッチ」と大書された今年の新作を見たら、誰もが目を疑うに違いない。しかしここまで洒落っ気をもって本気で遊べるのもグッチなのだ。ダイバーズウォッチのスタイルを採り入れながら、ダイアルにアニマルモチーフをあしらった「グッチ ダイヴ」の新作にしても、既成概念を超えた時計である。以前のホログラムウォッチなどもそうだが、グッチにおいては、時計もファッションと同様に着けて楽しみ、自己を表現するための重要なアイテムという姿勢に今年もぶれはなし。
昨年のバーゼルワールドで発表され、評判になった「グリップ」に今年も新作が登場。とりわけ個性的なのは、イエローゴールドPVD仕上げの38㎜ケースに「グッチ」のカタカナを大胆にあしらった日本限定モデルだ。クオーツ。ステンレススティール、3気圧防水。税別23万円。

2019年クルーズコレクションのためにデザインされた「グッチ ダイヴ」の2020年新作は、回転ベゼルやラバーストラップ、キャットヘッドのモチーフを配したダイアルはそのままに、モノトーンで表現。クオーツ。ステンレススティール、ケース直径40㎜、20気圧防水。税別17万4000円。
ヴィンテージのトレンドが続く中で、グッチ流の表現がディスクと窓で時刻を表示する「グリップ」。機械式にも1920~30年代によく似たデジタル時計があったが、この「グリップ」が醸す雰囲気は70年代のレトロ感。しかし蘊蓄はどうでもよく、おもしろがって楽しむのが先だ。
1970〜80年代にかけて「鉄仮面」と呼ばれたアナログのデジタル表示。そんな懐かしいスタイルを採用したかのような「グリップ」の新作は、これまた斬新なカタカナでのブランド表記がケース正面に施されていてビックリ! ダイバーズの「ダイブ」のダイアルといい、突き抜けている。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
(ENGINE2020年7・8月合併号)
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