2020.08.17

LIFESTYLE

ティンダーCEOのエリー・セイドマンさん コロナが加速させた“新たな出会いの形”

エリー・セイドマンさんペンシルバニア大学工学部卒。2017年より現職。自他共に認めるcar geek(車オタク)で、これまで2003年式のBMW 5シリーズ(E39型)や1987年式のトヨタ・ランドクルーザー(FJ60型)などを所有。

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世界がコロナに揺れる中、アメリカ発祥のマッチング・アプリ、Tinder(ティンダー)の利用が増えている。この夏から日本で新キャンペーンを開始する、同社のCEOにZOOMで話を聞いた。


新型コロナウイルスがすでに猛威を奮っていたこの春、アメリカ発祥のマッチング・アプリ、ティンダーの利用が飛躍的に増加した。世界190カ国に広がるユーザーたちのスワイプ数(お気に入りの相手を見つけて、いいね!をする機能)は、3月29日の一日だけで3億回以上。これは同社が8年前にサービスを開始して以来の記録的な数字だという。


「ここ数カ月の間で、ユーザーがチャットでやり取りする時間も2割ほど増えました。対面で人と会うことが難しくなった今、他者とつながりたいという欲求がますます強くなっている表れだと思います」 と、ティンダーのCEO、エリー・セイドマン氏が話す。


米ロサンゼルス、ウェスト・ハリウッドにあるティンダーの本社。米国以外ではヨーロッパやアジア、オーストラリア、中南米の各地にオフィスを構える。世界の全従業員400名あまりの6割が入社1年未満。

ネット上で関心を持ったユーザー同士が、一対一でコミュニケーションを取ることができるティンダーは、2012年にアメリカの大学キャンパス内で生まれた。8年間でのダウンロード数は累計3億4000万回にも上り、昨年の収益は11・5億ドル(約1200億円)と、非ゲーム系アプリの中では世界最高となる。


ちなみにティンダー・ユーザーの半数以上は、18歳から25歳までの若者たち。物心ついた時からスマートフォンに慣れ親しんでいた、いわゆるジェネレーションZと呼ばれる世代だ。


「かつてのマッチング・アプリは、デート相手を見つけるための手段とされていました。ところが今は、ヴァーチャル空間で人々と知り合い、そこで交流すること自体を楽しむユーザーが増えている。生活の中でオンラインとオフラインを区別しないのがZ世代の大きな特徴で、その流れが今回のコロナで、ほかの世代にも広がり始めたんです」


だが数多あるマッチング・アプリの中で、なぜティンダーがこれほど支持されているのか? その秘密は、すぐに始められる気軽さと直感的な操作性にあるようだ。


ティンダーには無料と有料会員がある。有料会員になると、日本にいながらにして世界中のメンバーとつながることのできる"パスポート"といった機能が使える。

ティンダーの画面にランダムで表示される相手の情報は、ハンドルネームと自分からの距離、年齢、簡単な紹介文、そして写真だけ(顔写真でなく風景写真などでも構わない)。お互いが直感で相手を気に入り、画面を右スワイプすればマッチが成立したことになり、初めてチャットでのやり取りができるようになる。


気軽に始められる分、安全対策は徹底している。たとえば不審なメンバーがいないかどうかをAIが24時間体制で監視。不適切なメッセージや画像を検出し、排除するシステムも導入している。


とはいえ知らない人がいないほどの人気を誇る英語圏に比べると、日本での利用者はまだまだ限定的だ。そこで同社では日本での知名度を上げるべく、この夏よりオンラインでの新キャンペーンを開始することにした。「日本のマーケットにはまだまだ伸びしろがあるので、今回のキャンペーンで、幅広い層にどんどん訴求していきたい。2023年までには日本を含むアジア太平洋地域の収益が、会社全体の収益の25%になることを目指します」


コロナで加速した〝新たな出会いの形〟は、これからの日本人の生活をどう変えていくのだろうか。


文=永野正雄(ENGINE編集部) 写真提供=Tinder Japan


(ENGINE2020年9・10月合併号)

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