ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
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20年間で変わらない基準は、「所有経験があり、勧めたいもの」と「今日的で時代を表しているもの」などです。途中から加わったもうひとつが、「海外で、持てる性能をフルに引き出して走り、優秀性を実感できたもの」。若い頃から海外でレンタカーを借りて運転していましたが、この20年間はいろいろなクルマで良く走りました。それが選考に反映されています。
一昨年に8か月待って新車で購入し、ただいま走行3万㎞。その前には初代ボクスター最終型に乗っていたので違いが良くわかる。速く、快適で、その上、実用性が高いところが共通している。運転支援やコネクティビティもマル。
このクルマで西安から敦煌まで2500㎞余りを寄り道しながら走ったが、このようなスーパー・スポーツにとって理想的な設計がロングツーリングに適しているかが良くわかった。650Sは運転しやすく快適で、疲れ知らずだった。
ディスカバリーでは世界中いろいろなところを走ったが、最も印象に残っているのはアルゼンチン。高山病に罹りながら、標高5000メートルの峠を越えた。そこに至るまでのルートもハードだったが、持てる機能と実力を全て試せた。
TVRグリフィス500に乗っている時に渡英し、同車を堪能。英国仕様の超ピーキーなエンジンとシャープな操縦性に驚愕。超々魅力的。
RE付きで東京から京都の手前まで一気に走れて実力の高さを知らされた。たとえEVでなくてもシャシーと総合力に秀でている小型車。
マラガからモンテカルロまで高速で一気に走って、重量を活かした快適性と6リッターW12気筒と4WDの速さと安定性に大いに納得。
ウラカンEVOでコーナーとアップダウンが延々と続く夏のロフォーテン諸島を縦断。パワフルで超官能的なV10エンジンにシビレっ放し。
車高調整機能を備えたエアサスの悪路踏破性の高さはヘタなSUVを遥かに凌駕し、ワゴンボディが長距離での快適性の高さを実証している。
ハイパフォーマンスEVならではの強烈な加速は病み付きになる。巨大タッチパネルと音声入力は慣れると極めて楽チン。運転支援も優秀。
日本車離れした妖艶なデザインに、今では絶滅危惧種的なNAの5.0リッターV8エンジンが蠱惑的。HV版もバランス良く好感が持てる。
リアエンジンなのでハンドル切れ角が大きく、小回りが利く。乗り心地も快適で街乗り最高。インターフェイスも優秀。お値打ち価格。
走りっぷりは柔らかく、優しく、とても快適。それでいて、操縦性も正確。テールゲートを持つトランクも実用性が高い。お買い得価格。
PHEVの「ゴルフGTE」に新時代のゴルフGTI像を見た。特に、山道でノーマルからスポーツモードへの走りの変身ぶりが鮮烈だ。
超絶技巧が惜しみなく施された内外の造形と仕上げは掛け値なく工芸品や美術品レベル。実は走りは各種の制御が施されたモダンなもの。
近年の日本車を代表する一台。三菱らしい4WDと電動化で武装したイレブンを切望している。
特に6MT版。精密機械のように、カチンカチンッと変速すること自体が乗る目的になる。
クラシックからモダンへと内外装の一新と、走行性能の進化の著しさの双方が魅力の源。
左右非対称のリアウィンドウに代表されるように、内外デザインがポップで楽しい。
以前にCXに乗っていたのでハイドロ付き大型シトロエンは大好物。世界観は見事に貫徹。
軽ではないミニマム車を造り出そうとした意欲作。トヨタらしくなく一代限りでは惜しい。
文=金子浩久(モータージャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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文=金子浩久(モータージャーナリスト)
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