時計のデザインで人気の的が内部のメカニズムが見通せる“オープン”スタイル。ダイアルやケースバックを通して見える精巧なムーブメントとスケルトンで露わになった機構に心躍る!
スケルトンはもともとクラシカルな機械式ムーブメントに用いられた手法。格調高いデザインと機構が露わなスケルトンムーブメントとを組み合わせたモデルがエレガントな高級ドレスウォッチの花形として人気を博してきた。その流れは健在ながらも、現在は一段と洗練された手法によって個性を強調したモデルが登場している。
その典型的なスタイルは、フェイス全体を占有するダイアルをあえて排除したダイアルレス。ムーブメント自体に小ダイアルが存在するブレゲ、ムーブメントのスケルトン構造にダイアルのインデックス機能を担わせるカルティエやアーノルド&サンなどの時計がそうだ。
ブレゲの「トラディション」は唯一無二の設計が興味深い。ふつうならケースバックを通して眺められるムーブメントの姿と時刻表示のダイアルが表側でいっしょになり、ムーブメントのパーツそのものがオープンフェイスのデザインを形づくるからだ。精緻な機械構造をドレッシーに見せる一種のマジカルなデザイン手法は絶妙というほかない。
ドレスウォッチにおけるスケルトンといえば、身近なところでは時計の心臓とも言える脱進機周りがダイアルからのぞくオープンハートが近年の定番だった。しかし、スポーツモデル同様にドレスも多様なアプローチでブランドごとに個性を表現。ミステリークロックで培われた技術とセンスを誇るカルティエは、その中でも突出した美麗なスケルトン表現が際立っている。
オープンやスケルトンに欠かせない素材が透明なサファイアクリスタル。風防はもちろんのこと、ダイアルやケースバックに用いてムーブメントを可視化するのに重要な役割を担うからだ。最近はこのサファイアクリスタルでケースを作り、表や裏のみならず、どの方向からもムーブメントの姿が見えるようにしたモデルが徐々に増えてきた。とくにスケルトンのコンプリケーションウォッチでは、絶大なシースルー効果を発揮し、隅々までメカが堪能できる。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
(ENGINE2020年11月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
advertisement
2026.04.12
CARS
【試乗記】歴代最速にして最高のクオリティのGTI ゴルフGTIの5…
2026.04.11
CARS
これぞスーパーセブンを卒業した大人の選択肢|藤原よしおら3人のモー…
2026.04.15
CARS
ポルシェ911GT3の新種は510馬力の自然吸気フラット6搭載でし…
2026.04.14
WATCHES
「ロードスター」が帰ってきた! 時計好きクルマ好きの魂をゆさぶる、…
2026.03.28
CARS
【海外試乗】何かとてつもない乗り物を操っている フェラーリ849テ…
2026.03.30
LIFESTYLE
MITSUBISHI MOTORS OUTLANDER PHEV …
advertisement
2026.04.19
黒塗り白塗りのミニバンに飽きたらコレ|モータージャーナリストの飯田裕子と島崎七生人がフォルクスワーゲンID.バズ・プロに試乗
2026.04.18
限りなく無音に近いまま恐ろしい勢いで速度が増す|河村康彦ら3人のモータージャーナリストがロールス・ロイス・ブラックバッジ・スペクターに試乗
2026.04.18
新型ヤリスクロスが登場 GRを含め、新顔に生まれ変わったデザインを画像とともにしっかりチェック
2026.04.18
20年前に予算500万円という徹底的なレストアによって今なお光輝くサバンナはいくら?【オートモビルカウンシル2026】
2026.04.16
まるで美術品!眺めているだけでも素晴らしい|菰田潔ら3人のモータージャーナリストがレンジローバー・スポーツSVエディション・ツーP635に試乗