ポルシェが電動化時代に向けて満を持して送り出した4ドア・クーペ・タイプの電気自動車、タイカンにクロスツーリスモを追加。日本でもその受注が開始された。ベーシック・モデルの「クロスツーリスモ」ほか、上位グレードの「クロスツーリスモ4S」と「クロスツーリスモ・ターボ」を合わせた3タイプが用意される。
クロスツーリスモは、「パナメーラ・スポーツツーリスモ」に似たワゴン・タイプのボディを採用。EVのパフォーマンスを新たな水準へと引き上げたタイカンに、優れたユーティリティをプラスした。さらに、前後ホイール・アーチなどに無塗装樹脂のボディ・クラッディングを装着し、オフロード・カー的なクロスオーバー・スタイルに仕立ている。
外観のデザインは、2018年のジュネーブショーに出展されたコンセプト・カー、「ミッションEクロスツーリスモ」のそれをほぼ踏襲。「フライライン」と呼ばれる、リアへ向けて下がった長いルーフ・ラインが特徴で、リア・エンドには大型のテールゲートを備える。
このボディの採用により室内スペースは拡大。後席のヘッド・ルームは4ドアのタイカンより47mm高くなった。またリアの荷室は、446リッターという通常時は4ドアのタイカンを若干上回る程度だが、後席を倒せばリア・バルクヘッドの残るタイカンでは到底実現できない最大1212リッターという大容量を手に入れることができる。
3グレードとも駆動方式は4WDで、アダプティブ・サスペンションとグラベル・モードを備えることで悪路走行に対応する。またオプションで、最低地上高を最大30mm高めるオフロードデザイン・パッケージを用意。これには、前後バンパーのコーナーとサイド・シル後端に装着される飛び石からボディを保護するフラップも含まれている。
「タイカン」にはグレードや仕様によって79.2kWh と93.4wWhのバッテリーが使い分けられているが、クロスツーリスモは全グレードに93.4kWhの大容量版バッテリーを搭載。最高出力とオーバーブースト時の最高出力は、エントリーモデルのタイカン4クロスツーリスモが380ps/476ps、4Sクロスツーリスモが490ps/571ps、ターボ・クロスツーリスモが625ps/680ps。0-100km/h加速は、それぞれ標準モデルが5.1秒、4Sが4.1秒、ターボが3.3秒をマークするという。
日本仕様は全グレードとも右ハンドル。価格は、タイカン4クロスツーリスモが1309万円、タイカン4Sクロスツーリスモが1502万円、タイカン・ターボ・クロスツーリスモが2024万円となっている。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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