フェラーリ初のプラグイン・ハイブリッド・モデル、SF90ストラダーレのオープン・ボディ版となるスパイダーの実車が日本で公開された。プラグイン・ハイブリッド・システムと可動ルーフをあわせ持つ初のフェラーリとなる。
今回は実車のお披露目と同時に、欧州仕様の車両とデータが公表された。ボディ・サイズは全長4704mm、全幅1973mm、ホイールベース2649mm。これはクーペ・モデルであるSF90ストラダーレの日本仕様(全長4710、全幅1972mm、ホイールベース2650mm)と同サイズと言っていいだろう。ちなみに、全高は明示されていない。
クローズドでのフォルムはクーペ・モデルとほぼ同じ。ルーフの上からルーフが収まるリア・デッキの上へ移設されたアンテナでクーペと見分けることができる。乾燥重量はクーペよりも100kg重い1670kg。これはオプションを装備した状態での重量だという。なお、45:55の前後配分に変化はない。
可動式のハードトップはアルミ素材を多用し、一般的なリトラクタブル・ハードトップよりも約40kg軽量だという。また、コンパクトでシンプルな設計により通常150~200リッター必要な屋根の格納スペースを100リッターに抑えている。開閉時間は14秒。リア・ウインドウの開閉も可能だ。
パワートレインはSF90ストラダーレと同様、最高出力780ps/7500rpm、最大トルク800Nm/6000rpmを発生する3990ccV8ツインターボに、フロント2基・リア1基で計162kW(220ps)の電気モーターを組み合わせる。システム総合出力はなんと1000ps! トランスミッションはデュアルクラッチ式8段自動MTのDCTで、駆動方式は4WDとなる。
0-200km/h加速はクーペの0.3秒落ちとなる7.0秒だが、0-100km/h加速の2.5秒と最高速の340km/hは同値。モーターのみでの航続距離は25kmだ。
フロント下部のボルテックス・ジェネレーター、リア・エンドのパネルを可動式にしたシャットオフ・ガーニーといった空力アイテムもSF90ストラダーレから受け継いだ。鍛造ホイールにはホイールハウス内部からのエアフローを最適化するフィンが設けられている。
メーターパネルには16インチの曲面ディスプレイを使用。中央に円形タコメーターを表示するオーソドックスなパターンをはじめ、全面にナビゲーションの地図を映し出すなど、表示内容の変更も可能だ。ステアリン・グホイールには右スポークに設置されたメーター操作用のパッドなどタッチ式操作デバイスを用いている。
SF90ストラダーレと同じく、このスパイダーにも標準モデルのほか、軽量パーツやサーキット志向のダンパー、ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2などを装備したアセット・フィオラノ仕様が設定される。納車は年末ごろ開始の予定で、価格は5856万円。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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