2021.11.16

LIFESTYLE

コンドミニアムのワンフロアが150億円!マンハッタンを一望する部屋についた驚くべき高値


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現代美術家の杉本博司は、近年新素材研究所の活動で、自身の古美術・石材蒐集などを反映させた空間を手がけている。今回のコンドミニアムは、5寝室5バスルームに茶室を備えたもの。家具、調度品は全て特注で、要所に杉本作品が飾られている。ミニマルな空間は、日本から職人を呼び寄せて丁寧に仕上げたもの。素材も十和田石や千年ものの屋久杉だけでなく、天平の頃に奈良の寺院で使われていた古材、室町時代の庭園に使われた石なども用いられている。古の粋人が使用していた素材が現代の建物に使われ、さらに新しいオーナーの手に渡っていく姿は骨董のようだ。



不動産売買であれば部屋をスケルトンにし、美術品や家具などは別途オークションにかけ、次のオーナーに引き渡すのが一般的だろう。これまで建築が、内装まで含めた美術品として取引されたのは稀だ。しかし今回の価格は、この空間に誂えた品々が揃っているからの評価である。今後は貴重な建築と調度品がセットで、美術品として取引される例が増えてくるのではなかろうか。



Architect: New Material Research Laboratory / Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida
(c) Hiroshi Sugimoto / Courtesy of New Material Research Laboratory

文=ジョー スズキ(デザイン・プロデューサー)

(ENGINE2021年12月号)

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