2022.10.18

CARS

国産車も真っ青!? 走りも燃費も文句なしの実用ハイブリッド、ルノー・キャプチャーEテック・ハイブリッド

ルノー・キャプチャーEテック・ハイブリッド

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アルカナ、ルーテシアに続いて、ルノー独自の2モーター・ハイブリッド、「Eテック」システムがルノーBセグメントSUVにも搭載された。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

ちょっと理解できないぐらい込み入った構造!?

ルノー「Eテック」の第3弾として導入されたのがキャプチャーEテック・ハイブリッドだ。そのユニークなハイブリッド・パワートレインは先に導入されたアルカナと同じ。すなわち94ps/148Nmを生み出す1.6リッター 4気筒自然吸気エンジンに、駆動用メイン・モーター(49ps/205Nm)と、HSG(ハイボルテージ・スターター・ジェネレーター)と称する発電用サブ・モーター(20ps/50Nm)を組み合わせたもの。さらにユニークなのは動力を伝えるギアボックスで、エンジン側に4段、メイン電動モーター側に2段のギアを備え、トータルで12通りの減速パターンを持つという。しかも一般的な摩擦クラッチやシンクロ機構を持たず、動力の断絶はドッグ・クラッチによるもので回転差はモーターが調整するという。ちょっと理解できないぐらい込み入った構造だが、これが巧妙に働くのはアルカナなどで確認済みである。



滑らかな発進は基本的に常にモーターによる電動走行。低中速域ではできるだけエンジンをかけないようにしているようだ。効率とコンパクトさを重視したハイブリッド・システムとはいえ、ドッグ・クラッチによるギアボックスとなれば変速時のショックが心配されるところだが、発進時も通常走行時も過渡域は大変スムーズで、エンジンのオンオフもドライバーにはほとんど感じられない。普通に走るかぎりレスポンスは俊敏かつ滑らかである。その代わりに、今現在どのようなギアで、どんな駆動パターンで走っているかは分からない。メーター内の表示でエンジン駆動なのか、モーター駆動なのか、あるいはその両方によるものかを判断するぐらいだ。



アルカナでは時折り気になったいわゆる“ギア鳴り”もキャプチャーでは聞き取れなかった。「マイセンス」(これがデフォルト・モード)、「エコ」、「スポーツ」の3種類のドライブ・モードが用意され、セレクターに「B」レンジは備わるが、ドライバーが任意で操作できるのはそれだけ、あとは車任せである。

アルカナより50kgほど軽いキャプチャーの乗り心地は、しなやかなルーテシアとちょっとラフなアルカナの中間といったところで不満はない。それにルノーが自慢する通りこのシステムは実用燃費が優秀だ。WLTCモード燃費は22.8km /リッター(アルカナと同じ)とされているが、実際にアルカナで流れに乗って高速巡航するとその数値を楽に超えたから、キャプチャーでもかなり期待できる。何だかきつねにつままれているような感じだが、走ると完成度の高さを実感するキャプチャーである。

文=高平高輝 写真=望月浩彦



(ENGINE2022年11月号)

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