2022.12.26

CARS

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“完売画家”中島健太さんはCT5とXT6に乗って、キャデラックの世界をどう感じたのか!?

繊細なタッチの作品が人気で多くのファンを持つ画家、中島健太さん。制作した作品がすべて完売することから“完売画家”と呼ばれている。これまで「日展」で特選を2度受賞、2022年11月の「日展」にも女優、佐々木希さんをモデルにした「陽だまり」を出展したばかりだ。絵筆を置く暇がないほど忙しいという中島さんの楽しみはクルマだ。これまでに数多くのクルマを乗り継いできた。そんな中島さんにキャデラックのミディアム・セダン、CT5とSUVのXT6に試乗してもらった。

アメリカのモダン・アート

審美眼を持った画家にキャデラックはどう映るのか? 

東京・台場のスタジオで2台のキャデラックと対面した中島さん。無機質な背景とキャデラック、そして精悍な顔立ちの中島さんとの相性は抜群で、すごくカッコイイ。



「僕はずっとヨーロッパのクルマに乗ってきたんですけど、欧州車にはない独自の進化というものを、この2台を見て最初に感じました。外観のダイナミックな感じや、独自のワイルド感はアメリカという広大な国だからこそ生まれたのだと思います。縦型のライトやエッジーなボディ・ラインなどの大胆なデザインは、緻密に計算された美しさを見せる西洋美術に対するアメリカのモダン・アートといった感じですね。いかに独自のキャラクターを追求していくか。そういうキャデラックの姿勢がデザインに反映されていると思います」

アメリカのモダン・アート。なるほど2台のキャデラックが都会の風景と相性がいいのは、そういうことかと思った。

ヨーロッパ車にはない独自の進化を遂げたというのが中島さんのキャデラックに対する第一印象だ。アメリカのモダン・アートのようだと言う。

中島さんにとってキャデラックもアメリカ車も初めての経験だったようで、少し興奮気味に言葉を続けた。

「むしろ昔のキャデラックを知らない人の方が、変な先入観を持たずに素直にカッコイイと思うんじゃないでしょうか。CT5もXT6もボンネットやリア・ゲートの中央を少し尖らせてV字型にし、そこに縦型のライトを組み合わせることでシャープな印象を与えています。キャデラックのアイコンがどちらにもあるので、一目でキャデラックとわかる。一方、それぞれ細部を作り込むことで、CT5はスポーティで若々しく、XT6は優雅でダイナミックな感じがするというのがすごい」

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スポーティなCT5

中島さんが最初にステアリングを握ったのはCT5。台場ランプから首都高速へ入る。

リアに向かってなだらかに下降していくルーフ・ラインが柔らかい印象を与える。

「とても運転しやすい、というのにまず驚いています。キャデラックもアメリカ車も初めてなので、戸惑ったり躊躇したりする部分があるのかと思っていましたが、それは一切ない。乗って3分ぐらいでもう3〜4年乗ってきたクルマのような感覚になりました。操作に対する反応が素直だということだと思います。とても気持ちがいい。それにしても、この10段ATは素晴らしい。変速ショックがなく滑らかで、まどろっこしいところがまったくないですね」



走るにつけ顔つきが柔らかくなっていく中島さん。ドライブ・モードをスポーツに切り替える。排気音が明らかに野太くなった。

「おお! ステアリング・フィールとアクセル・レスポンス、そしてブレーキのフィールがイッキに変わりました。いやあ、これは楽しい! やっぱりCT5はベースがスポーティ・サルーンなのだということが、よくわかります。CT5はスポーツ・モードがデフォルトでもいいかもしれません」

スポーツ・モードにして運転を楽しむ中島健太さん。「CT5はとても上品な乗り味ですが、こうしてスポーツ・モードにするとベースがスポーティ・サルーンであるということがはっきりとわかります」と言った。


すっかり慣れた手つきでCT5を操る中島さん。ヨーロッパのスポーツカーを乗り継いできた感じが助手席からよくわかった。運転好きの頬が緩むCT5である。

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不満を持つ人はいない

試乗を終えると中島さんはこう言った。

「ガソリン車はもう行きつくところまで行ったのかもしれないと思いながら運転していました。これ以上いいクルマって何を指すんだろう? と。動力性能、乗り心地、操作感覚どれをとっても良かったです。このクルマを運転して不満を持つ人が想像できない。それが素直な感想です」







ユーザーとしてこれほど完成度の高いものが当たり前のように手の届くところにあるというのは、本当にありがたい。いまは恵まれた時代だと中島さんは言う。

「あるものが頂点を極めると、違った定規を持ってこないと新しい評価軸ができないと思っています。芸術運動で言えば、頂点を極めたアカデミック美術に対して印象派が生まれました。いま、クルマで言えば脱・炭素、EVというのがそれにあたるかもしれません。キャデラックも1950年代の絶頂期とは違う新しい価値を必要として、現代のキャデラックに生まれ変わったとしたら、それは成功したんだなとCT5に乗って思いました」

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プレミアム・ブランドであるというキャデラックのレガシーを残しつつ、先進的であろうとする姿勢は、すごくアメリカ的だと中島さんは言う。

「アメリカって常に新しいビジネス・プラットフォームが出来て、新しいフィールドでどんどん覇権を取っていくじゃないですか。キャデラックにはそういう先進性をとても強く感じました。だから20代、30代の人で新しいビジネス・モデルのなかから成功してきた新興富裕層に、キャデラックはすごくマッチすると思います」

キャデラックのチャレンジングな精神が若い世代とシンクロするように中島さんは感じたようだ。

「あと10年したら、キャデラックに対する見方も以前とはまったく違うものになっているんじゃないでしょうか。すでに僕のなかでは、すごく“インスタ映え”するブランドという意識になっています(笑)」

※キャデラックCT5のスポーティなドライブ・フィールを満喫した中島さん。次回は、本人にとって初めてのSUV体験だというキャデラックXT6のインプレッションをお届けします。2023年1月25日公開予定。お楽しみに。


文=荒井寿彦(本誌) 写真=茂呂幸正

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■中島健太
大学3年でプロデビューし、現在までの制作作品は700点を超え、その全てが完売。2009年、日展初出展としては最年少で特選を受賞、2014年にも日展で特選を受賞し、20代で2度の受賞は小磯良平以来の快挙となる。繊細で洗練された高い技術と人間味溢れる温かな作風は、唯一無二と評価されている。「完売画家」としてテレビなどでも取り上げられ、「瀬戸内寂聴」「ベッキー」「新川優愛」などの作品も話題になる。2021年8月に著書『完売画家』を出版し、好評発売中。2022年4月期フジテレビドラマ『元彼の遺言状』絵画担当もつとめた。「第9回 日展(日本美術展覧会)」(2022年11月4日〜11月27日)には、女優、佐々木希さんをモデルにした作品『陽だまり』を出展。繊細なタッチで本人の美しさを引き出していた。


■キャデラックCT5スポーツ
CADILLAC CT5 Sport
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4925×1895×1445mm
ホイールベース 2935mm
車両重量 1760kg
エンジン形式 直列4気筒ターボ
総排気量 1997cc
最高出力 240ps/5000rpm
最大トルク 350Nm/1500〜4000rpm
変速機 10段AT
サスペンション前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション後 マルチリンク/コイル
ブレーキ ディスク
タイヤ 245/40R19
車両本体価格 770万円

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(ENGINEWEBオリジナル)

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