2023.03.11

CARS

ブンブン回る4気筒エンジン! ホットハッチに憧れたオジサンたちに乗って欲しい! 新型ポロに追加されたスポーツ・モデル、GTIに箱根で乗った!! 

新型フォルクスワーゲン・ポロGT!

全ての画像を見る
スタンダード・モデルに続き、ポロのスポーツ・モデル、GTIもマイナーチェンジ。従来型同様、200psを超える強心臓を持ち前輪で路面を掻きむしる、今やすっかり希少車の仲間入りしたホットハッチの走りっぷりを堪能した。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

advertisement


高まったスポーツ志向


2022年6月にマイナーチェンジを受けた現行型6代目VWポロに高性能版の「GTI」が追加された。コンパクトなハッチバック・ボディにパワフルなエンジンを詰め込んだ、いわゆる「ホットハッチ」の代表モデルだが、今ではすっかり希少種である。スタンダード・モデルはマイナーチェンジの際に全車一本化された1.0リッター3気筒直噴ターボを積むのに対し、GTIは従来通り2.0リッター4気筒直噴ターボ・エンジンを搭載するために、スペシャル感はさらに増している。しかも最高出力は207psと、これまでの200psから若干ながらパワーアップ、いっぽうで最大トルクは320Nm/1500-4500rpmで変わらない(ただし従来型から発生回転数が広くなった)。さらにこれまでより1段増えた湿式7段DSGを採用し、0-100km /h加速は6.5秒という(欧州仕様値で従来型は6.7秒)。



サイドサポート部が盛り上がった専用ファブリック・シートの中央部分がグレーと赤のタータンチェック地になるのがGTIのお約束だが、そのシックさに比べるとダッシュボード・パネルとステアリング・ホイールやシフト・セレクターなどに加えられた赤いトリムは、これまたお約束とはいえ、ちょっと子供っぽいかもしれない。ただしこのサイズゆえにそれほど嫌味に感じられないことも事実。アップ!なき今、ポロはフォルクスワーゲン最小のGTIである。ちなみにボディ・カラーにメタリックレッドを選んだ場合だけインテリア・パネルはグレーとなる。

赤いボディ色の場合はグレー基調となる。


GTIは専用のスポーツ・サスペンションを備え、標準型よりも車高が20mm低くなる。さらに「スポーツセレクト」なるパッケージ・オプション(12.1万円)を選ぶと可変ダンパー(ノーマルとスポーツの2段階)と18インチ・タイヤ(標準は17インチ)も装着される。とはいえ兄貴分ゴルフのGTIのような洗練度についてはちょっと、いやだいぶ欠けているようだ。荒れた路面や目地段差では明確にガツンと反応する乗り心地は、意外にしなやかじゃないかとさえ感じられた従来型から一変しており、いささか粗削りというかスポーツ志向をはっきり打ち出している。もっとも、建付けがしっかりガッチリした感覚は、VW一族の例に漏れない。ガツンと来てもそこからガタピシしないおかげで、GTIだからまあこれぐらいならと納得できるというものだ。

シェイプが深いタータンチェック地の専用スポーツ・シートと、至るところにちりばめられた赤いアクセントがGTIのお約束。


ハンドリングもおとなしくはない。ブレーキ・トルクベクタリングたる「XDS」(これをVWは電子制御デファレンシャルロックと称する)が標準装備されているものの、タイトコーナーの出口でプンプン回る4気筒ターボに鞭を当ててフル加速してみると、一瞬トルクステアが顔を出すほど元気ハツラツにしてちょっと汗臭い、刺激的なコンパクト・カーである。かつてホットハッチに憧れたオジサンにも、好きものの若者の心にも刺さるはずだが、ただし車両価格は411.3万円。これに前述のスポーツセレクト・パッケージとナビ&インフォテインメントシステムの「ディスカバープロ・パッケージ」(15.4万円)を加えると約440万円。従来型GTIに比べてざっくり100万円アップである。ものみな値上げの世の中だし、装備が充実しているのは認めるけれど、それでもポロでこんなにするのか……、としばし声を失ってしまったというのが正直な気持ちである。

文=高平高輝 写真=望月浩彦



(ENGINE2023年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement