2023.03.15

CARS

古くても新しくても、いまフランス車が面白くなって来ている! 懐かしいプジョー205とルノー・トゥインゴがアニバーサリー・イヤー!

ルノー・トゥインゴ30周年ブースから

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欧州を代表するヒストリック・カーの祭典「レトロモビル」。大盛況のうちに終わった今年は、アニヴァーサリー・イヤーを迎えたプジョー205とルノー・トゥインゴに注目が集まっていた。

前に進めないほどの混雑ぶり


47回目を迎えたレトロモビルは2月1日から5日まで開催された。会期中の金曜日には恒例の夜間開館が行われ、各クラブは持ち寄り食とシャンパーニュで10時近くまで盛り上がっていた。土曜日は一部エリアで前に進めないほどの混雑ぶりに。関係者は「人々はここ数年、良いクルマに飢えていた」と語る。盛況の理由として、1950年代末生まれ、つまり青年時代にクルマに熱中した世代が定年を迎え、彼らの自由時間が増えたこともあるかもしれない。



恒例のアールキュリアル社のオークションは落札総額3550万ユーロ(約49億8千万円)を記録。2万5000ユーロ(約350万円)以下の中古車コーナーも来場者の関心を引いていた。またポルシェ911は60周年のキックオフを行った。


一方、今年は2つのフランス系モデルがアニヴァーサリーを迎えたことが話題に。40周年を迎えたプジョー205と30周年を迎えたルノー・トゥインゴだ。

新たに若者層を取り込むことに成功


両モデルともにブランドイメージの刷新に大きく貢献したことで知られるが、205が登場する前のプジョーといえば、質実剛健なファミリー・カーのイメージが強かった。フランスの国民的絵本『プチ・ニコラ』の映画版で主人公の家族が乗るプジョー404がまさにそれを象徴している。加えて1970年代後半から同社は、タルボ(旧クライスラー・ヨーロッパ)買収を起因とする不振に喘いでいた。そうした中、205は新たに若者層を取り込むことことに成功し、業績回復の大きな原動力となったのである。



トゥインゴの開発が進められていた1990年代初頭は、ブガッティEB110やジャガーXK220に代表されるような、ハイパー・スポーツカーが脚光を浴びていた時代である。いっぽう1987年、ルノーのデザイン・ディレクターとなったパトリック・ルケマンはマルチェロ・ガンディーニが残した原案をもとに、新たなシティカーの姿を摸索した。それがトゥインゴの始まりである。そのモノスペースと呼ばれるフォルムは、かつてルノー4やルノー5のような革新性に富んだブランドへと、ルノーを回帰させた。ブガッティの修復で知られるパリの名門カロスリ「ルコック」がトゥインゴの特別仕様車造りに乗り出したのも、そのデザインが秀逸だった証左であろう。


まさに往年のパリの街並みが似合う、コンパクトかつ知的な魅力を湛えたクルマの魅力を再発見するのに、レトロモビルほど相応しい舞台はないだろう。

文・写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA

(ENGINE2023年4月号)

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