2023.07.23

CARS

基本、旅は全部したみち! キャンピングカーで日本全国を巡る俳優の岡田太郎&田中美奈子夫妻 旅ごとに発見があります!

キャンピングカーで日本全国を巡る岡田太郎&田中美奈子夫妻

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ふたりとも俳優、ふたりともアウトドア好き、夫婦でキャンピングカーのアンバサダーも務めている岡田太郎&田中美奈子夫妻。キャンピングカーの楽しさを語ってもらいました。

私のキャンピングカーの原点

対岸に羽田空港を望むオートキャンプ場は、平日のせいかガランとしている。時折、空港を離陸したジェット機が轟音とともに頭上を通過していく。



ホワイトのボディにネイビーブルーの装飾がされたキャンピングカーのドアから、飲み物を持って出て来たのは俳優の田中美奈子さん。

キャンピングカーの脇に敷かれたピクニック・シートには、食器や食材が並んでいる。せっせと昼食の仕込みをしているのは、ご主人の岡田太郎さん。

どちらも俳優というほかに、ふたりに共通するのはアウトドア好きということだ。

「僕が子供の頃、父が自宅に友人を招いて、よくバーベキューをしたんです。アウトドアが好きになったのは、その頃からです」と、岡田さん。

田中さんが続けて言う。

「叔父がバスをキャンピングカーに改造して、従兄弟たちと河口湖や山中湖に行きました。ワカサギを釣ったり、焚火をしたり。その感動体験が、いま私がキャンピングカーに乗っている原点かもしれません」

夫婦そろってアウトドアの経験が豊富なのだろう。ランチの準備がテキパキしていて、無駄がない。

すっかり使いこなしている感じのキャンピングカーは、3年前に岡田家にやってきた。

「自分のやりたいことを実現させるという内容の番組に夫婦で出演したんです。もちろん、キャンピングカーを買うぞ! というテーマにしました(笑)」

家族でキャンピングカーの販売店を訪ねたり、キャンピングカーを体験する様子などが放送されると、日本RV協会から連絡が入った。

「私たち夫婦を公式キャンピングカー・アンバサダーに任命してくださったんです」

ナッツのクレア

アンバサダー就任とともに、やってきたのが目の前にあるキャンピングカーだ。トヨタがキャンピングカーのベース車両として開発したトヨタ・カムロードを、ナッツが架装したクレアというモデルである。

「このクルマの特徴はまずオシャレなことですね。外観はスタイリッシュだし、インテリアも照明、棚板、ソファーの生地などがオシャレなんです。キャンピングカーって、いままでは男性目線だったんですけど、これは女性に人気なんです」と、田中さんは嬉しそうに話す。







ベッドルームの天井近くには、エアコンが設置してある。ナッツが自社開発した超急速充電システムを搭載しているので、遠慮なく使えるのだという。

現在の走行距離は2万4000km。中学2年の長女、中学1年の長男を乗せ、家族4人で日本全国津々浦々を旅してきた。

「去年の夏は四国を1周しました。東京からフェリーで徳島へ。そこから時計まわりに高知、四万十、松山と巡り、香川から小豆島へ。帰り道は一般道をメインで走り、2週間をかけての旅行でした」



岡田さんは笑顔でそう話すけれど、帰路にフェリーどころか、ほとんど高速道路も使わないことには驚いた。

「基本的に“したみち”です。日本にはこんなにいいところがあるんだ! という発見が、どの旅にも必ずあるからです。四国の旅では松山も良かったし、香川の父母ケ浜も良かった。私はこのクルマが来てから価値観が変わりました。東京では体験できない日本の良さに直接触れることが出来たからだと思います。長男も“東京じゃなくて、もう田舎に住もうよ”と言っています」





田中さんが子供の頃に得た感動体験は、子供たちに引き継がれているようだ。岡田さんもキャンピングカーが来て、家族の絆はさらに深まったと感じている。

「女の子は年頃になると“お父さんの下着と一緒に洗濯しないで!”なんて言うんだと、聞かされてたんですけど、長女はまったくそんなことない。僕と長女との仲がすごくいいのは、このクルマのおかげかも(笑)」

車中泊はリーズナブル

旅は車中泊が基本。四国を巡った2週間の旅でも温泉宿に泊まったのは一晩だけだった。

「RVパークを転々とするという感じです。1泊2000円ほどです。施設内にはトイレ、シャワールーム、ランドリーのほか、場所によっては温泉が併設されています。家族4人で温泉旅館に泊まったら10万円とか、かかるじゃないですか。キャンピングカーの車両価格は安くないですけど、宿代を考えたらリーズナブルだと思います。手放すときの下取り価格も高いですし」



明るい声で“キャンピングカーの旅はお財布に優しい”と言う田中さん。女優さんであることを忘れてしまうほど、フランクな人だ。

「レジャーだけじゃないんです。いま、想定外の大雨や台風などが起きているじゃないですか。キャンピングカーは有事のときに、それ自体が避難所になるんです。食材を置いておけば1カ月ぐらいは暮らせる。しかも動く。移動できる避難所って、これからますます必要になるんじゃないかと思っています」



田中さんは2人の子供を持つ母なのだ。ご主人の岡田さんはキャンピングカーの魅力は機動力と話す。

「いきなり明日、行こうかみたいなことが出来るんです。宿の予約はいらないし。キャンプの経験がない人には、むしろアウトドアへの敷居は低いと思います。テントを張らなくていいわけですから。コロナ禍の影響もほとんどありません」

運転に対して不安を持つ必要はないと田中さんが続いた。

「私も最初はこんなに大きいの、大丈夫かしら? と思いました。でも、アイポイントが高くて見晴らしがいいし、四角いボディは車両感覚がつかみやすく、小回りも利きます。私が運転できるんだから、ほかの女性でも大丈夫ですよ(笑)。是非、試乗をしてみてください」

まだ行ったことのない石川、富山、福井、鳥取、宮崎、鹿児島の6県を岡田家は制覇しようと思っている。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正



(ENGINE2023年5月号)

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