2023.05.07

CARS

これはレア物! 2.0リッター5段MT仕様のシトロエンXMが手に入れられる

2023年4月14日からの3日間で開催された「オートモビルカウンシル2023」。クルマをはじめ、カー用品やグッズ、さらにファッションなど、クルマやクルマ生活にまつわる様々なものが出展される、モーターショーの枠を超えたモーターショーである。

かつてのシトロエン・フラッグシップ

オートモビルカウンシルに出展されるクルマは往年の名車から最新のニューモデルまで年代が幅広い。しかも、旧車の多くは実際に購入できる販売車両が中心となっているのだ。その中から今回は、エンジン編集部が注目する5台のクルマを紹介していく。3台目は「シトロエンXM」。ハイドロニューマチックと呼ばれるシトロエン独自のサスペンション・システムを持つかつてのフラッグシップ・モデルである。なお、車両についてはすでに販売済みの可能性があることをご了承ください。



どうやら中毒性があるらしい!?

かつてシトロエンの最上級車として君臨した「シトロエンXM」というクルマはどうやら、数あるフランス車の中でも特に中毒性があるらしい。というのも、以前「ENGINE WEB」で、XMを4台連続で購入したカメラマンが記事で紹介されていたし、筆者も内外装が個性的なXMのユーズドカーを3台乗り継いだ好事家を取材したことがある。

ちなみに、その3台乗り継いだオーナーは、まず1997年に1台目のXMを40万円で購入。これは1990年式の前期型で、その後、ヤフー・オークションにて売却。2台目は90万円の1995年式の中期型で、今度はヤフオクにて購入。3台目は75万円で最終型の2000年式だった。3台のXMを乗り継いだことにより、前期、中期、後期を制覇したのである。最後に購入したヘッドライトに6灯キットを装着した2000年式は現在も愛用中だという。



2.0リッター5段MTのレア仕様

京都にある「アウトニーズ」がオートモビルカウンシル2023で披露したのは1992年式のXM。前期モノということになる。税込販売価格は350万円で、なんと日本に正規ディーラー車として入ってこなかった「2.0リッター5段MT」というレアな仕様だった。てっきり正規輸入モデルの3リッターV6エンジンのAT仕様かと思って油断していた。そこで早速、アウトニーズのスタッフにアレコレ伺ってみた。

「この2リッター、4気筒エンジン、MT仕様は、もともと並行輸入で入ってきた個体です。5年前に一度販売し、アウトニーズに戻ってきました。それで今回のオートモビルカウンシルで、こういうクルマもあります、ということで展示しています」



独自のルートでパーツを調達

1992年式なので31年落ちということになる。普通に考えれば十分旧いが、DSやCXといった伝統のフラッグシップに慣れ親しんできたシトロエン好きの間ではオールドタイマーという認識は少ないらしい。

「1990年代に生産されたクルマなので、定義としてはヤングタイマーということになります。でも、XM以前のオールドタイマーと同じように、もはや各部に手を入れないといけません。このクルマはMT仕様なので、トランスミッションはAT仕様よりも長持ちすると思います。現在、国内でXM用のパーツを入手するのは難しいのですが、独自のルートを開拓しているアウトニーズでは、ヨーロッパに行き、パーツの製造販売元とコネクションを作っているので手に入れることできます」

イタリアのカロッツェリア・ベルトーネが手掛けた大きなボディを持つXMは一見すると重いイメージがあるが、2リッター、4気筒エンジン、MT仕様となるこのモデルはその印象から外れた面白いクルマなのだという。ニコニコしながらそのように話してくれたアウトニーズのスタッフがとにかく楽しそうだったので、きっと、稀代のレア車のステアリング・ホイールを握ることができたドライバーも一緒に笑顔になれるはずだ。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)

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