2023.12.03

CARS

トヨタMR2の未来形か? ミドシップ風のスタイリングがイケているトヨタのEVスポーツ・コンセプト「FT-Se」

東京モーターショーからコンセプトや展示内容をリニューアルし、名称も一新されたジャパン・モビリティショーは多くの観客を集め、成功裡のまま幕を閉じた。日本車メーカーを中心に数多くのショーカーが展示されたが、トヨタのブースで大きな集めていたのが、電気自動車=バッテリーEV(BEV)のスポーツカーである「FT-Se」だった。

ワイド&ロー

エクステリアは、短い全長に幅広く低い、いわゆるワイド&ローなスタイリングを持つ。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4380×1895×1220mm、ホイールベースは2650mmだが、間近で見ると数字以上にコンパクトに感じる。全体的な佇まいはミドシップ・スポーツに近く、2代目「トヨタMR2」を想起させる。



イタリアン・スポーツカーを彷彿

LEDを用いたデイタイム・ライトと縦型ヘッドライトを用いたフロントまわりの造形はイタリアン・スポーツカーを思わせる。ボンネットを低く、フェンダーを高くすることで、前輪の存在感を強調したスポーツカーらしいフォルムを生み出している。

ボディ・サイドには後輪の前方に開閉式エアインテークを設置。バッテリーとモーターの温度上昇を検知した際に開き、空力と冷却性能の両立を図っている。タイヤ・サイズは前265/35、後295/35の20インチだ。

リアまわりはダックテール形状のテールエンドと空力パーツとして機能するであろうフィン形状のテールライト・セクションを持つ。下部のディフューザーは排気系のないBEVだけにボディ幅を十分活かしたサイズと理想的な形状を備えている。



2シーター・レイアウト

キャビンは2シーターで、ドライバーはホイールベースの中心近くに座るレイアウト。ダッシュボードは低く、スポーツカーらしい低い着座位置からでも良好な前方視界に寄与する。ドライバー正面には主にメーターパネルとして使用するディスプレイが、左ハンドルのステアリング・コラムの左側には車両情報、右側にはエンタメ関連の映像を投影する画面がそれぞれ据えられている。

シートはレカロ製で、GRロゴ入りのセミバケット・タイプ。ダッシュボード下部やドア・トリム、センターコンソールには青いメッシュ状の素材が張られているが、これは高G走行時に身体を支えるニーパッドとして機能する。ルーフは固定式だが、乗員頭上はガラスパネルを設置。中央部のルームミラー後方には各種スイッチパネルが配置されて、ダッシュボードやセンターコンソールからは操作系がほぼ排除されている。



前後モーターの4WD

駆動方式は前後モーターによる4WD。このコンポーネンツは同時出展されたSUVモデルの「FT-3e」と多くを共用しているというが、新開発の薄型バッテリーを採用したこともあり、きわめて低い車高を実現した。シャシーには前後各セクションの構造体をアルミ一体鋳造部材のギガキャストとして、従来構造に対して2倍の剛性を得ているという。

トヨタ・ガズーレーシング(TGR)の「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」という思想に基づき提案する「カーボンニュートラル時代におけるスポーツカーの選択肢のひとつ」だという高性能スポーツBEVモデルのFT-Se。ショーでの注目度の高さはこのクルマへの期待の大きさを表しているはずだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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