499Pモディフィカータの価格は500万ユーロ(約8億円)で、すでに8台が成約済みという噂も。
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10月にイタリアのサーキットで行われたフェラリスタの祭典。そこに現れたのはあのル・マンの頂点に立ったレーシングカーそっくりだが、実はそれ以上にパワフルという、恐るべき1台だった。近年はニューモデルのお披露目の場にサーキットを走るために生まれたフェラーリのための祭典、フィナーリ・モンディアーリが今年もイタリアのムジェロ・サーキットを舞台に繰り広げられた。もともとは、ワンメイク・レースであるフェラーリ・チャレンジの世界一決定戦として始まったフィナーリ・モンディアーリだが、その後、徐々に規模を拡大。いまでは過去のF1マシンやGTレーサーなど、フェラーリがこれまでに作ったレーシングカーやサーキット走行専用モデルであれば幅広く参加できるイベントへと生まれ変わっている。
しかも、参加車両は基本的にオーナーが個人所有するもので、フェラーリ所蔵の車両ではない。この辺の、ファンの参加意識というかフェラーリとの一体感を微妙に煽る手法は実に見事で、ビジネスとしても大成功を収めている模様だ。近年は、モータースポーツを強く意識したニューモデルがここでお披露目されるのが恒例となっていて、今回も驚くべき新型車が発表された。100周年を迎えた今年のル・マン24時間でフェラーリが歴史的な総合優勝を果たしたことは、皆さんもご記憶のとおり。このとき、彼らに栄冠をもたらしたのが499Pという名のハイパー・カーだった。
レースに参戦しないことを条件にル・マン24時間もその一戦に名を連ねる世界耐久選手権(WEC)に参戦するために開発された499Pは、296GTB/GTS由来のV6エンジンを搭載しているものの、専用のカーボン・モノコックやものものしいエアロダイナミクス、さらには前輪をモーターで駆動するハイブリッド・システムを搭載するなど、市販車とはほぼ無関係のレース専用車両。この499Pと基本的に同じマシンを一般に売り出すことが発表されたのだ。しかも、レースに参戦しないことを条件に販売されるため、レース規則にしたがった出力制限などは一切なし。このため最高出力はレーシング・カーの680ps前後から870psへと、むしろ引き上げられているのだから驚くしかない。フェラーリは、499Pモディフィカータと呼ばれるこのモデルのため、専用のサーキット走行会を全世界で実施。全7回が予定されるそのカレンダーには、鈴鹿サーキットも含まれているから楽しみだ。文=大谷達也 写真=フェラーリ(ENGINE2024年1月号)
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