2024.03.14

CARS

これがキャデラック・エスカレードに乗った自動車評論家のホンネ!!「コルベットと同系統の6.2リッターV8は、2.7トンの車重に対しても不足なし!」by 高平高輝

キャデラック・エスカレード

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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 従来リジッド・アクスルだったリア・サスペンションをマルチリンクとし、ついに四輪独立懸架となった新型キャデラック・エスカレードに乗った金子浩久さん、武田公実さん、高平高輝さんのホンネやいかに?

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「大きさを感じさせない」金子浩久

昨年に続いて、ENGINE PREMIUM CLUBのメンバーとの同乗試乗の1台目はエスカレード。お一人目は、休日にはGRヤリスとポルシェ718ケイマンなどでサーキット走行を楽しまれているKさん。ありがたいことに、Kさんは筆者の「10年10万kmストーリー」の長年の読者で単行本も全巻お持ちだとのこと。読者と出会えて試乗前から感謝感激。



エスカレードは、まずその大きさに圧倒された。全長5400ミリ全幅2065ミリ。乗り込むと、別の驚きが待っていた。湾曲した大きなモニターとメーターパネルが大小ふたつ重なり合い、それぞれの周囲をレザーがトリミングするという凝りっぷり。

センター・コンソールやステアリングホイールなどの操作各部分の造形も良く考えられ、使いやすく現代的な高級感も醸し出している。

走り出すと、6.2リッターV8エンジンの生み出す大トルクの余裕と10段ATのスムーズな変速に驚かされた。箱根ターンパイクのコーナーでもキビキビ、そしてしっとりと曲がっていった。「ボディの大きさを感じませんね」とKさんも走りの質の高さに驚いていた。

デジタル・メーターとインパネ中央の大型液晶パネルが未来的な印象を与えながらも、室内全体では高級感が漂うインテリア。素材や仕上げもとても上質で居心地がいい。6.2リッター自然吸気V8は4000rpmで最大トルク624Nmを発生、低回転域からトルクがあって、運転がラクだ。新たに採用された10段ATとのマッチングもよく、走りはとても滑らかだ。



「全席が快適!」武田公実

ショーファードリヴン用途に供するSUVは、現在ではR-Rカリナンやベントレー・ベンテイガ、そして日本からもトヨタ・センチュリーなどが誕生しているものの、その起源はエスカレードにあると思われる。

今回はEPC会員のご夫妻のアテンド役も兼ねての試乗で、助手席と後席でもエスカレードを体感していただいたのだが、すり減った元気を取り戻してくれるような、カッチリし過ぎないインテリアの設え。ベンテイガはもちろん、カリナンよりも鷹揚な乗り心地など、すべてが癒しのクルマであることを共有できた。

でも、スロットルを深めに踏み込むと聴こえてくる、コルベットやカマロと同じLS系のV8サウンドや、自然吸気ならではのレスポンスは、この上なくスウィート。高級車キャデラックには相応しくないとは分かっていても、このクルマのフィールが乗り手に極上の「元気」をもたらしてくれることは間違いあるまい。

しかも、それは運転席だけでなく、助手席や後席でも等しく体感できるものであることも重要。それはおそらく、エスカレードだけの稀有な資質なのだ。




「きわめて先進的」高平高輝

逞しくタフでだけど、ドタバタゆさゆさするトラック派生SUV、などというイメージはとっくに過去のものだ。

2020年末に国内導入された現行型(5世代目という)エスカレードはこれまで通りのフレーム構造を採りながら、四輪独立サスペンション(+エアサスペンション&電制ダンパー)を採用したことで、すっかり現代的なボディ・コントロールを備えている。

これは7人乗りのスポーツだが、つい先日8人乗りの“プレミアム”グレードも追加された。

巨体を前にするとどうしても身がすくむが、走ってみれば、大らかでフラットな乗り心地に加えて、狙ったラインを正確にたどれるハンドリングも併せ持つ。

コルベットと同系統の6.2リッターV8は2.7トンあまりの車重に対しても不足なし、ATは何と10段! 
である。

他にも車載用としては初のOLEDスクリーンを備えるなど、キャデラックに相応しく、きわめて先進的である。まさしく悠揚迫らぬ、ゆったりとした王者の風格。そのサイズを持て余さずに使える人にとっては唯一無二のラグジュアリーSUVである。

5代目となる新型は、従来リジッド・アクスルだったリア・サスペンションをマルチリンクとし、ついに四輪独立懸架となった。さらに、エアサスを採用することなどにより、乗り味は旧型に比べてとても上質になった。全長×全幅×全高=5400×2065×1930mm。ホイールベース=3060mm。車両重量=2740kg。6.2リッターV8(416ps、624Nm)は10段ATと組み合わされ、巨体を痛痒なく加速する。1740万円~。

写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブとリア)

(ENGINE2024年4月号)

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