ステランティス・グループのミニバン三兄弟の最後に登場したフィアット・ドブロに乗った斎藤慎輔さん、金子浩久さんの本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 「黒バンパーが素敵」斎藤慎輔ルノー・カングーにはじまり、シトロエン・ベルランゴといった欧州のカーゴ車両ベースの乗用車の、日本でのちょっとしたブーム。プジョー・リフターはまだしも、そのフィアット版のドブロまでも日本仕様を用意してくるとは思ってもいなかった。
ちなみにイタリア本国では、すでに大半がBEV仕様とのことで、いまとなってはディーゼルは輸出用に用意するといった状況らしく、これまたちょっとした驚きじゃないだろうか。なによりありがたいこと。ドブロが素敵なのは、商用車ベースらしい黒バンパーをそのままに、ベルランゴやリフターよりも装備も少しばかり簡素にして、価格もお安くしている点。なのだが、ドライバー目線からすると、そんな雰囲気でありながら遠出も楽々にこなすばかりか、実はワインディングも気持ちよく走れてしまう。一人乗車だとリア荷重が軽いこともあって、アンダーステをちょうどよく補正するくらいにリアをごくごく軽く流しながら駆け抜けていけることに思わず笑顔が溢れたものだった。超実用的なのに思いのほかにファンなのです。
「プロ仕様の感じがいい」金子浩久箱型ボディは荷物をたくさん積むことを主な目的としていて、ヨーロッパでは商用、業務用として使われることも多い。バンパーなどの外装の樹脂パーツだけでなく、車内もブラック基調のプロ仕様といった感じ。
シフトセレクターがミニマルなダイヤル式であることだけでなく、操作系統はシンプルなダイヤルやレバーなどが多用されている。
しかし、左右独立調整式オートエアコンやアップル・カー・プレイ/アンドロイド・オートなどに対応したモニター画面、USBソケットなど必要なものは装備されている。ADASもACCだけでなく車線逸脱警告も標準装備。現代のクルマとして必要な安全性と利便性が担保されていて心強い。
1.5リッター4気筒ディーゼルで前輪を駆動する走りっぷりも用途や見た目をうれしく裏切って快適だ。
危惧した箱型ボディの共鳴もなく西湘バイパスを往復した。後席の3つのシートが独立していて、ホールド性も良好。助手席背もたれも倒せて長いものも積める。クルマをアクティブに使いこなすための1台で、今日の4台の超高級車とはまた違った世界が広がっていた。
写真=小林俊樹(メイン)/神村 聖(サブとリア)(ENGINE2024年4月号)
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