2024.04.15

CARS

GT-Rニスモよりお買い得!? メルセデス・スポーツ・モデルの頂点、新型AMG GTが日本上陸

2代目となる新型「メルセデスAMG GTクーペ」が2024年4月2日に発表、予約注文が開始された。納車開始は4月下旬からとなる。

新型で2代目

AMG GTクーペは先代および現行「SL」と同様、AMG独自開発モデル。初代は、「メルセデス・ベンツSLS AMG」のバトンを受け継ぎ、2015年に誕生した。新型は2代目で、9年ぶりのフルモデルチェンジになる。GT3レーサーのベース・モデルになっていることからもおわかりの通りスポーツカーとして一級品なのはもちろん、快適性や積載性などにも配慮されたプレミアム・スポーツ・ラグジュアリーといえるキャラが与えられた。

現行SLとプラットフォームを共有する新型GTクーペは、先代の後輪駆動から4WDになり、先代の2シーターのみから2+2シートもオプションで選べるようになった。なお、オプションのリア・シートは身長150cm(チャイルドシート装着時は135cm)までの対応になっている。



ロングノーズ&ショートデッキを継承

現行型もロングノーズ&ショートデッキのシルエットが目を惹く。新しさを抱かせるのはエッジの少ない流麗な面構成で、シームレス・ドア・ハンドルもスタイリッシュさに磨きをかけた。力強く大きく張り出した前後フェンダーアーチには、標準装備になる21インチ鍛造アルミホイールが収まっている。

低く、ワイドに構えたフロント・マスクは、ワイドな視覚効果と空力性能に優れたフロント・エプロン、力強いパワードームが配された長いボンネットがスポーツモデルらしい顔つきを形成。3つのLEDのアクセントが特徴的なデイタイム・ランニング・ライト付きデジタル・ヘッドライトを採用している。

リアは、3つの立体的なエレメントからなるLED式テールライトや電動格納式リア・スポイラーが目を惹く。さらに、新デザインのデュアル・エグゾーストエンドが一体化されたハイグロスブラックのディフューザーも後ろ姿を印象づけている。



アナログとデジタルを融合

インテリアは、「ハイパーアナログ」と呼ばれるアナログとデジタルを融合させたデザインを採用。最近のメルセデス・デザインの流儀に則って、12.3インチのメーターパネルと11.9インチの縦型メディアディスプレイに多彩な機能を表示する。そのほか、ツインスポーク・デザインでフラットボトムの「AMGパフォーマンス・ステアリング」(ナッパレザー)を備える。

シートはナッパレザーのAMG専用スポーツシートを標準装備。シート・ベンチレーター&シート・ヒーター(運転席&助手席)やマルチコントロール・シートバック(運転席&助手席)などが用意され、ロングドライブでも快適に過ごせる装備が充実している。

さらに、オプションのヘッドレスト一体式の「AMGパフォーマンスシート」を選択すれば、シート・ベンチレーターやシートヒーター、マルチコントロール・シートバックはそのままにサイドサポート性をより高めることが可能だ。

後席は先述したように、身長の上限はあるものの、オプションでプラス2座が選択できるようになった。荷室は2シーター仕様で321リッターの容量を持つ。また、4座仕様では後席を倒せば最大で675リッターまで拡大するなど実用性も担保している。



軽量化と高剛性化

スポーツカーとしての性能を高めるため、軽量化と高剛性化にも余念はない。ボディ・シェルにはアルミニウム、スチール、マグネシウム、繊維複合が採用され、ねじり剛性は先代比で18%向上、横軸の曲げ剛性は50%、縦軸の曲げ剛性は40%高まったという。ドアとボンネット、テールゲートを除いたボディ・シェルの重量は270kgに収まっている。

先代と同形式の4.0リッターV型8気筒ツインターボ・エンジンは最高出力585ps(430kW)、最大トルク800Nmを発生。トランスミッションは湿式多板クラッチを備える「AMGスピードシフトMCT」の9段ATが組み合わされ、0-100km/h加速は3.2秒でクリアする。



4WDを初採用

既述のように駆動方式は4WDで、前後トルク配分の連続可変が可能な「AMG 4MATIC+」を採用。前後トルク配分は50:50〜0:100の間で連続可変させる。さらに、ドリフトモードでは0:100に固定され、純粋なFRとして走らせることも可能だ。

シャシーには、「AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンション」、電子制御式の「AMG リミテッド・スリップ・デフ」や後輪操舵の「リア・アクスル・ステアリング」などを用意。そのほか、ドライブモードやトランスミッション、エグゾーストシステム、サスペンションなどの設定を統合制御する「AMGダイナミック・セレクト」も標準で用意され、状況や好みに応じた走りを引き出すことができる。



可変機構で空力性能をアップ

また、走行性能を高める装備は数多く用意されているが、後続車にもその存在感を見せつける「リトラクタブル・リア・スポイラー」は、速度や重力加速度などのパラメーターが考慮され、5段階で角度を調節。ダウンフォースを効果的に高めることで高速走行時の安定性を向上させ、走りの楽しさを最大化させる。

走行安定性を高める「アクティブ・エアロダイナミクス・システム」の搭載もトピックス。走行もオードの設定が「ベーシック」、「アドバンスド」で100km/h以上になると、フロント・オーバーハングの底面にある超軽量カーボンファイバー製のパーツが約40mm下降し、車体下部への空気の流れを加速させることでフロント・アクスル部のリフト力を250km/h走行時で約50kg抑制。ダウンフォースを発生させることでコーナリング時や高速走行時の操縦安定性を向上させる。また、空気の流れを制御することでブレーキの冷却効果も高めることができ、スポーツ走行時も安定したブレーキングパワーを維持できる利点もある。

そのほか、対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザー・エクスペリエンス)、街中の段差などを乗り越える際に30mmフロントが高まる「フロントアクスル・リフトシステム」なども用意され、日常使いでも快適なドライブを楽しめる装備が充実している。

グレードはGT 63 4MATIC+クーペの1タイプのみで、価格は2750万円で、ステアリング位置は左のみとなっている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement