2024.03.06

CARS

これがランドローバー・ディフェンダー110 V8に試乗した自動車評論家3人のホンネだ!!「あろうことかスーパーチャージャー付き5リッターV8を搭載してるんだから恐れ入る」by 国沢光宏

ランドローバー・ディフェンダー110 V8

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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 世の中EVにまっしぐらのこのご時世に、5リッターV8スーパーチャージドを搭載したランドローバー・ディフェンダー110 V8に乗った石井昌道さん、国沢光宏さん、菰田潔さんのホンネやいかに?

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「痛快でたまらない」石井昌道

オフロードの王者にして現行モデルは快適かつデザインでも魅せるようになったディフェンダー。リセールバリュー・ランキングでトップになるほどの人気で、多くの人が選んでいるのが大型SUVと相性のいいディーゼルというのも納得がいく。お財布に優しく1タンクあたりの航続距離も長いから当然だろう。

2024年モデルのディフェンダーはラインナップを大きく拡充。注目はショート・ボディの90と標準ボディの110に加わった5リッターV8スーパーチャージド・ユニット。ビンテージ・タン・カラーの内装色や22インチ・ホイールをはじめとする多彩なオプションの設定や限定モデルも投入されている。

ところが、新しく加わったのはちょっとしたキワモノといえるV8のモデルだ。レンジローバーのようにBMW製を搭載するのではなく、自社開発の由緒あるAJ型ユニットはスーパーチャージャーによって低回転域からスムーズに強大なトルクを生み出すから、ちょいとアクセレレーターを踏み込むだけで車両重量2450kgの車体を素早く加速させる。

本格オフローダーのサスペンションはソフトタッチだから、明確にお尻が沈み込んでいくのがわかって面白い。そうはいってもシャシーがエンジンに負けているなんてことはなく、登りのワインディング・ロードではちょっとしたスポーツカー顔負けのペースで駆け抜けていける。本格オフローダーでこんな走りができるのが痛快でたまらないのだ。




「地球上で最強のクルマ」国沢光宏

ロールス・ロイスを頂点にする高価なイギリス車の面白さは、明確な“クラス”感があることだ。妙な表現になるけれど、ハンドルを握っていると心に余裕が生まれるのだった。少し詳しく状況を説明すれば「こんな良いクルマに乗って申し訳ないですね~」みたいな感覚になる。

だから多少粗雑な運転をしてるクルマに出くわしても「チッ!」じゃなく、無関心を決め込める。相手をする気にもならないってこと。EPC会員の方も「確かに張り合う気にはならないですね!」。


今回試乗したのは悪路を極めるためのディフェンダーに、あろうことかスーパーチャージャーを付けた5リッターV8を搭載してるんだから恐れ入る。アクセレレーターを踏めばたいていのクルマより速い。

加えてランドローバーの伝統なのだけれど、オンロードのコーナリング性能だって素晴らしいです。深いロール姿勢を保ったままグイグイ曲がっていく。優雅なだけでなく強さも持つ。地球上で最強のクルマと言い換えてもよいかと。このクルマのオーナーになれば、ハンドルを握る度に穏やかな人格になっていきそうです。




「このモダンさに惹かれる」菰田 潔

今のようにSUVが流行る何年も前からランドローバーは荷物を積んでどこにでも行けるクルマを造っている。イギリスの会社だし保守的かなと勝手に思い込んでいた筆者が、デザインで衝撃を受けたのがディフェンダー。泥んこになって走ることもあるクルマなのに、スッキリとしてモダンなところに惹かれる。

太いタイヤがオーバーフェンダーの中に収まり、台形のプロポーションが強調されていい。都会で出会うディフェンダーはオーナーが綺麗にしているから、テールライトなどでそのモダンさがよくわかる。このデザインは見ているだけで元気をもらえる。

意外にも近代的なのは計器盤で、回転計と速度計を並べて表示する標準タイプから、ほぼ全面を地図にすることも可能。中央に回転計がレイアウトされ、その中にデジタルの速度計が組み込まれるパターンなど5種類から選べる。フロアは高く、アイポイントがかなり高いので見晴らしがいい。サスペンションのストロークが長く、乗り心地はすこぶる快適。ソフトなのに揺れ過ぎないところがいい。5リッターのV8エンジンで長距離ドライブが楽そうだ。

ディフェンダーの90および110のV8搭載モデルはすべて足まわりはエア・サスペンションが標準設定となる。このユニットは最高出力525ps/6500rpm、最大トルク625Nm/2500-5500rpmを発揮し、8段ATを介して4輪を駆動する。110の全長×全幅×全高は4945×1995×1970mm。ホイールベース=3020mm。車両重量=2450kg。車両本体価格=1588万円。


写真=郡大二郎(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2024年4月号)

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