2024.03.15

CARS

EVになってもミニはミニ ミニ・クーパーが正式車名になった新型ミニが日本にやってきた

イギリスのローバー社から引き継ぎ、2002年からBMWが手掛けるようになったミニ。2007年に2代目、先代となる3代目は2013年にデビューを果たしている。そして、4代目となる新型ミニの3ドアが3月2日の「MINIの日」(ミニの日)の前日である2024年3月1日に発表された。デリバリーは2024年第二四半期以降の予定だ。

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ミニ3ドア初のEV

新型ミニ3ドアの見どころは多いが、同時発表された新型「カントリーマン」{Countryman)の電気自動車=バッテリーEV(BEV)と同様に、3ドア・モデルとしては日本で初めてBEVが設定されたことがトピック。



グレード名で差別化

さらに、これまでグレード名だった「クーパー」{Cooper)を車名に統一した。今後ミニの3ドア・モデルは全モデルがミニ・クーパーと呼ばれることになる。日本では、オーナーやクルマ好き以外の人はミニのことをすべてミニ・クーパーと呼ぶ人も多いので、一般的な呼称と実際の車名が合致したことになる。

ICE(内燃機関)とBEVはグレード名で差別化。ガソリン・モデルは「C」と「S」、BEVは「E」と「SE」という名称がそれぞれ車名の後ろに付けられる。両パワートレーンともに「S」が付く方がハイパワー版になっているのは従来までと同じだ。



クラシック・ミニをリボーン

エクステリアは、新しいミニのデザイン言語である「カリスマティック・シンプリシティー」のもとで仕立てられていて、クラシック・ミニを現代的解釈のもとに「リボーン(再生)」したという。エレメント(要素やパーツ)を極力減らし、クリーンなサーフェイスが目を惹く。さらに内外装ともに、環境への配慮からクローム・パーツやレザーを排除し、新素材にリサイクル・ポリエステルやリサイクル・アルミニウムを採用している。

フロントマスクは、複雑な八角形の輪郭をもつフロント・グリルと、新デザインのヘッドライトが特徴的で、3種類から選択できるLEDシグニチャー・ライトやWelcome/Good-byeライトの採用など、新世代MINIらしい仕掛けも用意した。



センター・メーターの新しいカタチ

外観以上に内装の変わり映えが目を惹く。ステアリング・ホイールの奥に配置されていたメーター・パネルが廃止され、運転にかかわる情報はヘッドアップ・ディスプレイに投影される。

最大の注目は、有機ELが採用された大型の円形センター・ディスプレイで、ユーザーインターフェースを同ディスプレイに統合した。直径240mmの高品質ガラスとレスポンスに優れた高感度タッチ機能を備え、スマホのように直感的な操作が可能。メーター・パネルとして機能するほか、AR機能付きナビゲーションやメディア、電話、エアコン、各種機能設定などすべての操作ができる。さらに、丸型ディスプレイには、お気に入りの写真を背景にできるなど、スマホやパソコンなどの画面のようなカスタマイズ・モードも用意する。



伝統のトグル式スイッチも継承

丸型ディスプレイの下には、イグニッション・スイッチやトグル式シフト・レバー、ハザードスイッチなど使用頻度の高い操作系を配置した。光や音の演出にも凝っていて、ダッシュボード上に最大7パターンの光のグラフィックを投影させるアンビエント・イルミネーションを用意するほか、「ビビッド・モード」にすると、流れている音楽のカバー・アートの色に合わせたライト・エフェクトが25色の中から自動で選定するという没入感のある光の演出が施されている。

音もサウンド・クリエーターを起用し、通知音や警告音、電話などだけでなく、歩行者の安全を音でも促すなど新世代モデルらしい作り込みがされている。



4つのパワートレインを用意

搭載されるパワートレインは、「ミニ・クーパーC 3ドア」が1.5リッター直列3気筒ターボ・ガソリン・エンジンで、最高出力156ps(115kW)、最大トルク230Nm。組み合わされるトランスミッションはデュアルクラッチ式7段自動MT(DCT)のみ。価格は396万円。

「ミニ・クーパーS 3ドア」は、最高出力204ps(150kW)、最大トルク300Nmの2.0リッター直列4気筒ターボ・ガソリン・エンジン。トランスミッションは同じくデュアルクラッチ式7段自動MT(DCT)のみで、価格は465万円となる。



EVも2モデル

「ミニ・クーパーE 3ドア」は、容量126.0Ah/40.7kWhのリチウムイオン・バッテリーを床下に搭載し、最高出力184ps(135kW)、最大トルク290Nmのモーターを前輪に配置する。一充電であたり走行可能距離は305km(欧州仕様値)となっている。価格は463万円。

「ミニ・クーパーSE 3ドア」には、容量136.0Ah/54.2kWhのリチウムイオン・バッテリーが搭載され、最高出力218ps(160kW)、最大トルク330Nmのモーターを同じくフロント・アクスルに配した。価格は531万円となっている。

なお、BEVモデルを2023年度の補助金(2024年度の補助金の合計金額は現時点では不明)に当てはめると、新型カントリーマンのBEVと同様に、プレスカンファレンスが行われた東京都江東区の場合、CEVのほか東京都と江東区で実施されている補助金制度を合わせると140万円の補助金が受けられた計算になり、ICEとBEVの購入時の負担額は逆転することになる。

ミニ・クーパーS 3ドア

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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