2024.04.23

CARS

これがシトロエンE-C4シャインに乗ったモータージャーナリストの清水和夫の本音!「バッテリーEVのE-C4は重心が低いので異次元の走りが味わえる」

シトロエンE-C4のバッテリーは50kWhを搭載し、136ps&260Nmのモーターで加速する。

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“ハイドロニューマチックの現代的解釈”をうたう「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」を採用するBEV「シトロエンE-C4シャイン」に乗った清水和夫さん、渡辺敏史さんの本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 

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「悩ましい選択」清水和夫

シトロエンeC4はサイズ的にも日本の道で使いやすい大きさで、実際の使い勝手は良さそうだ。

パワートレーンは完璧なバッテリーEVなのであるが、実は同じプラットフォームで作られるエンジン車よりも走りは洗練している。

インテリアのデザインは基本的にガソリン仕様車と同じ。独特の雰囲気があるにもかかわらず、操作系はわかりやすい。助手席の前方にはタブレット端末を固定できる。秀逸なのはシートで、ふわりとしたなんとも心地よい掛け心地に癒される。荷室の使い勝手も良かった。

エンジン車のシトロエンC4は最高の乗り心地を提供する上質なファミリーカーであることに疑いの余地はないが、正直に言うと素早い動きはロールとピッチングが大きくなり、フラットなボディ・コントロールは期待できなかった。

だが、バッテリーEVのE-C4は重心が低いので異次元の走りが味わえた。サスペンションを固めなくてもロールは気にならない。コーナリングではサスペンションが深くストロークするが、ボディの動きに不安はない。この動きこそ往年のハイドロ・サスを思い起こす。

市街地から走行も快適だが、70km/hくらいの準高速はロードノイズも少なくバッテリーEVのメリットを十分に活かして快適ドライブが楽しめる。

シトロエンE-C4のバッテリーは50kWhを搭載し、136ps&260Nmのモーターで加速する。以前に乗ったディーゼルC4も良かっただけに、電気かディーゼルかと悩ましい。




「コスプレは意匠のみにあらず」渡辺敏史

そもそもC4は、旧き佳き時代のシトロエンのエッセンスを端々にちりばめたように企画された、そんな一面がある。

GS風だったりXM風だったりと、ディテールからそれを嗅ぎ分けるのもクルマ好きのお楽しみだが、コスプレは意匠のみに留まらない。

プログレッシブ・ハイドローリック・クッション=PHCダンパーとアドバンスト・コンフォート・シートという2つのアイテムで作り込んだ銘柄としては、最も乗り心地で往年のハイドロ感を感じさせてくれるのではないかと思う。


そこにBEVならではの無音に近い車内空間やシームレスな加減速感が組み合わせられたのがE-C4だ。

走る分には、代々のシトロエンが度々例えられてきた宇宙船的なフィーリングそのものである。

なんなら回生から油圧へと切り替わる際に効きが強く表れるブレーキの癖さえシトロエンらしく思えてしまうから困ったものだ。

航続距離は405kmと今日びのBEVとしてはちょっと心許ないが、行動半径や充電環境が許すなら、その乗り味だけでちょっと手を伸ばしてしまいそうな魅力がある。

◆大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が乗った「エンジン・ガイシャ大試乗会 2024」の記事一覧はこちら!

フロントに搭載されるモーターは最高出力136ps、最大トルク260Nmを発生する。駆動方式はFF。フロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームの足まわりには、“ハイドロニューマチックの現代的解釈”をうたう「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」を採用、独特な乗り心地を提供する。全長×全幅×全高=4375×1800×1530mm。ホイールベース=2665mm。車両重量=1630kg。車両価格=465万円~。


写真=小林俊樹(メイン)/神村 聖(サブとリア)

(ENGINE2024年4月号)

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