2024.06.01

CARS

フェラーリに勝るとも劣らぬデザイン プジョー406クーペがオートモビル・カウンシル2024に登場

2024年も4月12日~14日までの日程で、旧車を軸に自動車文化を満喫できるモーターショー、「オートモビル カウンシル2024」が開催された。毎年、主催者によるテーマ展示が魅力のひとつになっていて、今年は、当初「Designed by ピニンファリーナ」が予定されていた。しかし、イタリアの伝説的カーデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニ氏か開催直前の3月13日に85歳で永眠。急遽ガンディーニの追悼展が行われることになった。

イベント開催直前に会長が逝去

イタリアを代表するカロッツェリアのひとつであるピニンファリーナの名車を拝めるのは来年以降か、と思っていた矢先の4月9日にはなんと、現ピニンファリーナの会長であるパオロ・ピニンファリーナ氏が65歳で逝去。テーマ展示の「Designed by ピニンファリーナ」は実施されなくなったものの、会場ではピニンファリーナから生み出された美しいクルマたちが俄然注目されることになった。



多数のプジョー車を手掛ける

長い歴史を誇るピニンファリーナは、1930年の設立以来、スーパーカーからコンパクト・カーまで幅広いカテゴリーにおいて多くの自動車デザインを手掛けてきた。ピニンファリーナと言えばフェラーリのイメージが強いが、プジョーとの関係も深く、204、205、304、305、306カブリオレ、403、404、405、406、504、505、604、605などのセンスのいいクルマたちを世に送り出してきた。

数多くの秀作が存在しているが、プジョーをはじめ、シトロエンやルノーといったフランス車のあるカーライフをフルサポートしている原工房がオートモビル・カウンシル 2024にて販売していたのは2004年式のプジョー406クーペ。税込250万円というリーズナブルなプライスであった。



デザインはセダンと別物

日本のマーケットに1998年から導入された406クーペは、ピニンファリーナがエクステリア・デザインのみならず製造工程まで一貫して引き受けていたこともあり、406セダンと共用する外装パーツが存在しなかった。そう、すべてが専用設計品だったのだ。その甲斐あって、406クーペの優美さは特別なもので、ピニンファリーナの傑作として、いまでも世界的に高く評価されている。

熱心なプジョー・マニアの間でコレクターズアイテムになっているが、原工房では、ユーザーが無理なく買えるプライスを提示し、買ってもらって、乗ってもらわないと意味がない、との基本理念のもとで良質車を安価にてデリバリーしており、今回取材させてもらった右ハンドル/4段AT仕様も驚くほど買いやすい価格設定なのであった。



2004年式の後期型ディーラー車

スペックを列記すると、ボディ・カラーはハイペリオン・ブルー、走行距離は6万1500km、フロントに2940ccのV型6気筒DOHCを搭載し、前輪を駆動する。車検2年付き(納車整備費用と合わせ別途申し受け)で、修復歴はない。

既述したように2004年式なので、現車は2003年8月のマイナーチェンジ時に登場した後期型で、バンパーのエア・インテーク部が大型化されるなど、フロントのデザインが初期モデルとは異なるのがポイントだ。本国では2.0リッター直4版なども設定されていたが、日本に正規輸入されたのは3リッターV6+4段AT仕様の1グレードのみで、ブレンボ製のブレーキ・キャリパーやプジョーとレカロが共同開発した本革シートなどが標準装備であった。



今後も旧くならない

原工房代表の原さんは406クーペの魅力についてこの語ってくれた。

「V6エンジンは振動が少なく、なおかつ壊れにくい。排気量が3リッターで、オートマで、トランクがあって、という成り立ちからも406クーペのよさが分かるはず。2004年式であってもレカロ・シートは魅力のひとつ。さすがにボディ・パーツが少なくなってきているが、クルマそのものが残っているので、それほど心配することはない。今後もこのエクステリア・デザインは旧くならない。そういうクルマをつくるのが、デザイナーの仕事」

406クーペ以降、プジョーは自社のデザインセンターで各車をデザインするようになったので、2005年に販売終了となったこの美しいモデルがピニンファリーナが手掛けた最後のプジョーとなっている。406クーペをゲットすると、かつてピニンファリーナとプジョーが蜜月関係であったことを、見るたび、乗るたびに実感できるので、良質車をテリバリーしてくれる原工房にて一生モノをゲットしてみるといいだろう。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)

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