2024.07.27

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この美しさは別格! ジャガー・ルクルトの「デュオメトル」 そのエネルギーマネージメントはWECのハイパーカーのよう!!

エンジン時計委員 篠田哲生のイチオシ 「ジャガー・ルクルト デュオメトル・カンティエーム・ルネール」

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2020年春にスタートした世界最大級の時計見本市が「ウォッチズ&ワンダーズ」。開催5回目となる今年は、ジュネーブの会場に過去最多の54ブランドが集結した。各メゾンが“時計の祭典”でお披露目した入魂の看板モデル、数々の新作の中からエンジン時計委員の心を揺さぶったモデル8本を、熱いコメントとともにご紹介!

エンジン時計委員 篠田哲生のイチオシ
ジャガー・ルクルト デュオメトル・カンティエーム・ルネール」

時刻表示の動力と複雑機構への動力供給とを完全に分離して2系統の流れを作り、それぞれ高精度を実現する革新的な「デュオメトル」の登場は2007年に遡る。最新作は現代的なアップデートによるその新世代。特徴は初のステンレススティール・ケース、懐中時計のような丸みを帯びたフォルム、さまざまな装飾仕上げによって各表示を際立たせたディープブルーダイアルなどだ。手巻き。ケース直径42.5mm、5気圧防水。655万6000円。



精度への探求心は、よりマニアックに深化中

機械式時計における“精度”とは、エネルギーマネジメントが支配する世界。効率的にエネルギーを伝達するために素材やパーツ、そしてメカニズムを開発する思考は、F1というよりはWEC(世界耐久選手権)に近いのかもしれない。ジャガー・ルクルトの「デュオメトル」は、WECにおけるハイパーカー。付加機構が精度に与える影響を無くすために、動力源と輪列を二系統もち、時刻表示と付加機構を分離するという考え方は極めて理論的だ。ジャガー・ルクルトがこの技術を初めて世に出したのは2007年。そこから17年かけて熟成させた新たなデュオメトルは、メカニズムもさることながらプロポーションの美しさも特筆すべきもの。同社の4つの技術部門を統括する責任者をして「最も難しかった」といわしめた、柔らかにカーブするダイアルは必見だ。ムーンフェイズやカレンダーは定番機構だが、それさえも誠実にエネルギーマネジメントにこだわって精度を追求し、しかも美しい時計をつくる。その姿勢が頼もしい。(篠田哲生)

(ENGINE2024年7月号)

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