2024.07.05

CARS

打倒メルセデスAMG G63 ランドローバー・ディフェンダーに高性能モデル、オクタ(OCTA)登場

2024年の4月にその存在と、テスト中の画像が公開されていた、ディフェンダー史上最もタフで、走破性が高く、そしてラグジュアリーなモデル、「ランドローバー・ディフェンダー・オクタ」(OCTA)が7月3日に正式発表されたのを前に、実車の公開が行われた。

車名はダイヤモンドの八面体形状に由来

ダイヤモンドの八面体形状(octahedron)に由来し、強靭さ、人目を引く魅力、希少性、高価値を表現した造語であるオクタという名称からも想像されるように、ディフェンダー・オクタは現行のディフェンダーV8の上に位置するフラッグシップモデルとなる。



635psの4.4リッターV8ツインターボ

ボディ・タイプは110のみで展開されるオクタの最大の特徴は、V8の5.0リッターV8DOHCスーパーチャージャーに変わって搭載される4.4リッターV8DOHCツインターボだ。その最高出力は635㎰、最大トルクは750Nm(ダイナミックローンチモードでは最大800Nm)と大幅にアップ。変速機は8段ATのみの設定で、0-100km/h加速4.0秒、最高速度250km/h(22インチ軽量アロイホイール&オールシーズンタイヤ選択時)と、同じ110ボディのV8の5.4秒、240km/hというパフォーマンスを大きく上回る。

来日したスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)担当プログラム・ディレクターのコリン・カークパトリック氏によると、新しい4.4リッターV8ツインターボはBMW製を基本とするもので、それまでの5.0リッターV8スーパーチャージャーに比べて、全域でのレスポンス、パフォーマンスに優れていること、そしてエミッション対策に秀でていることが特徴だと語る。また強大なパワー、トルクに対応してプロペラシャフト、ドライブシャフトは強化されているものの、アルミ製モノコック・ボディに関しては補強などの必要はなかったという。



前後トレッドを68mm拡大

そのかわりシャシーでは前後トレッドを68mm拡大。あわせて迫力あるオーバーフェンダーが奢られたほか、サスペンションのウィッシュボーンも延長、強化されている。加えてすでにレンジローバー・スポーツSVでも定評のある、4輪のセミアクティブ・ダンパーの油圧回路を連結、制御することで、あらゆる状況下でもロールやピッチングを抑えてフラットライドを維持する「6Dダイナミクス・サスペンション」テクノロジーをディフェンダーとして初めて採用。路面追従性が従来のV8より25%向上している。

もちろんオフロード性能も盤石で、車高が28mm高くなり、最大渡河水深が900mmから1000mmへと向上。さらに走行モードには滑りやすい路面で最適な加速を実現する「オフロード・ローンチ」モードなどを備えるなどオフロードでのドライビングに特化した「オクタ」モードが新たに追加されている。これら従来以上のパフォーマンスと、耐久性、信頼性の確保のために、3年にわたる開発期間と、1万4000回近いテストを世界各地、あらゆる状況下で実施し、その出来栄えには自信を持っているという。



専用のフロント・マスクを採用

そのほか冷却性能を向上するために大型化したグリル、意匠が変わったヘッドランプ、バンパーまわり、樹脂製からアルミ製となり傷に強いコーティング塗装を施したアンダーガード、ボルスターと一体型のヘッドレストを備えたフロントのパフォーマンス・シートなどディフェンダー・オクタ専用の装備、ディテールが奢られる。

またタイヤはオフロードに特化したパターンを持つオールテレインの20インチ、オンロードに特化したオールシーズンの22インチの2種類を用意。さらにボディの内外にはダイヤモンドをモチーフにした菱形の専用エンブレムが散りばめられている。



日本への今年の割り当ては220台

そんなディフェンダー・オクタの2024年モデルは世界で4100台の生産を予定している。そのうち日本市場には、専用色のフェローグリーン、従来より30%の軽量化を果たした2種類のウルトラファブリックPUレザー、センターコンソールやシートバックにあしらわれた再生カーボンのチョップド・カーボンファイバーのパーツなどを標準で装備する初年度限定の「ディフェンダー・オクタ・エディション・ワン」が90台、そして通常のディフェンダー・オクタが130台の合計220台が販売される予定だ。価格はディフェンダー・オクタ・エディション・ワンが2224万円、ディフェンダー・オクタが2037万円となっている。

ちなみにV8は2025年モデルでも継続し、130にもV8が追加される予定だという。昨年末、日本に導入される際に2024年モデルのみの展開……というアナウンスがあったことをご記憶の方もいるかもしれないが、ハイパフォーマンスなV8の存続、それをさらにそれを超える“スーパー・ディフェンダー”の追加は素直に喜ばしいことだと思う。



文=藤原よしお

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