2024.07.13

CARS

【その3】911ダカールは、これはカフェ・ラリーストだ!【911GT3 RS、ケイマンGT4 RS、911ダカール最新ポルシェ3台試乗】

911ダカールはただのコスプレカーなのか?

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スポーツしようぜ、と言いながらポルシェが出てこないのはありえない。という編集長ムラカミの鶴の一声で集められた、最新のとびっきりスペシャルな3台のポルシェ、911GT3 RS、718ケイマンGT4 RS、911ダカール。春の雨の中で乗ったエンジン編集部の面々があらためて感じたこととは。今回は3回シリーズの最終回、その3として、新たなスポーツ・モデル、911ダカールを取り上げる。◆その2の718ケイマンGT4 RSから読む場合はこちら

乗ればパリダカ気分

村山 ダカールは欲張りな911ですね。アスリートやサイボーグみたいなRS系の2台と違って、4輪駆動で汎用性もあって、より気軽に911を楽しめる。さらに民主化したというか、これも1つのスポーツの在り方かな、と思いました。

村上 あんなに乗りやすい911はないよ。40mm車高が上がっているから気軽に段差を超えられるし、視界がよく見切りもいい。

ダッシュボードにはシリアル・ナンバー入りのプレートが。


上田 あと、今回ダカールだけが左ハンドルで、右ハンドルのGT 3RSやGT4 RSより身体がしっくりぴったり来たことも言っておきたい。フットレストも大きくて、ドライビング・ポジションが良くて、これぞ本来の姿、まさにスポーツしようぜ、という感じ。ただ、ダカールは911にしては挙動が大きく、見える景色は変わらないのに、いつもの硬質な感じがせず、正直落ち着かなかった。オフロードだと違うかも知れませんが……。

村上 僕はダカールは必ずしもオフロードを走るためにつくったんじゃないと思う。もちろんオフロード「も」走れるけど。こういう言い方をするとポルシェは怒るかも知れないけど、これはカフェ・レーサーというか、カフェ・ラリーストだと思うな。でもね、スポーツする気分になる、ことも重要で、乗ればあたかもパリ・ダカール・ラリーに出てい
るような気分になるでしょ。とはいえ、もちろん本気でオフロードを走ろうとすれば可能なのがポルシェの凄いところで、単にデコレーションをして車高を上げただけじゃない。ラリー・モードだと駆動の感じもまったく変わる。



上田 いわばコスプレイヤーでもあると。でも形から入るのも大事です。ダカールは明らかにほかの2台とは方向性が違いますよ。スタンダード→S→GTS→GT3またはGT4→RSという道筋にいない。

村上 これまでなかった分野のクルマ。ポルシェって今までレーシング・モデルのオマージュはあったけど、ラリー・モデルはほぼなかった。

上田 サーキットでの歴史はずっと続いていたけど、ポルシェ本体によるラリーの歴史が一度途絶えたという理由もあるかもしれない。

村上 だから道筋が違う。それにしてもほかの2台があまりにも脚まわりや変速のスピードなんかが鋭いから、ダカールは緩い感じがしたね。



村山 GT4 RSとGT3 RSが鋭すぎです。ダカールも十二分にスポーツしようぜ、と思いますよ。

村上 結局やっぱりポルシェはなんにでも筋が通っているんだよ。

上田 でも、一本じゃないですね。ダカールの登場でさらに新しい筋ができた、という感じでしょうか。

話す人=村上 政+上田純一郎(まとめも)+村山雄哉(すべてENGINE編集部) 写真=郡 大二郎


■ポルシェ911ダカール
駆動方式 リア縦置エンジン4輪駆動  
全長×全幅×全高 4530×1864×1338mm  
ホイールベース 2460mm  
車両重量 1620kg  
エンジン形式 水冷水平対向6気筒DOHCターボ  
排気量 2961cc  
ボア×ストローク 91×76.4mm  
最高出力 480ps/6500rpm  
最大トルク 570Nm/2300-5000rpm  
トランスミッション デュアルクラッチ式8段自動MT  
サスペンション(前) マクファーソンストラット  
サスペンション(後) マルチリンク  
タイヤ・サイズ(前後) 245/45R19/295/40R20  
ブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク  
車両本体価格 3099万円  

(ENGINE2024年7月号)

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