2024.10.29

CARS

ロールス・ロイス・ゴーストがマイナーチェンジ パンテオン・グリルが際立つ新デザインを採用

2009年に「現代のベイビー・ロールス」として登場した4ドア・サルーン、ゴースト。2020年に11年ぶりのフルモデルチェンジを行い2代目となったが、このたびマイナーチェンジが施され、ゴースト・シリーズIIへと進化を遂げた。

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テーマは次なる贅沢

そもそも2代目ゴーストは、「ポスト・オピュレンス」(次なる贅沢)をテーマに掲げて登場。内外に施された伝統のクラフトマンシップ溢れる機密で高貴な造りに加えて、ファントムやカリナンでも採用されている「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と呼ばれるアルミ・スペースフレーム、全長×全幅×全高=5545×2000×1570mmとひと回り拡大された新デザインのボディ、571psを発生する6.75リッターV12DOHCツインターボ、前後駆動配分を状況に応じて0:100から50:50まで変化させるカリナン譲りの4WDシステム、後輪操舵システム、8段AT「サテライトエイデッドトランスミッション」、カメラで路面状況を読み取りサスペンションを制御するフラッグベアラーと世界初のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパーを備えた「プラナー・サスペンション・システム」など様々な新機軸を採用したモデルであった。



フロントまわりをリフレッシュ

ゴースト・シリーズIIはそれをベースとしながらも、まずエクステリアでヘッドライト、デイタイム・ランニング・ライトをリファイン。フロント・バンパー部のデザインも変更し、よりパンテオン・グリルが際立つようになった。またテールランプはロールス・ロイス初の電気自動車、スペクターからインスパイアされたデザインとなり、縦型のライトパネルにはRRのモノグラムが刻まれている。ほかには新たに採用された22インチ・9スポーク・ホイールもゴースト・シリーズIIの識別ポイントの1つと言えるだろう。

エクステリアでもう1つトピックと言えるのが、既存の4万4000色以上のカラーに加えて、1929年軽量型のファントムIIコンチネンタルをモチーフとしたブルー・メタリック、「マスティク・ブルー」(Mustique Blue)が追加されたことだ。もちろん、それでも満足できないカスタマーのために、世界で唯一のカラーを作り出すビスポーク・プログラムも用意されている。



インテリアにもエクスタシー像

一方、アナログ式のクロックとライトで浮かび上がるミラー仕上げのステンレス製スピリット・オブ・エクスタシー像が収められたガラス・ケース、「スピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネット」が助手席側に備わるインテリアでは、セントラル・インフォメーション・ディスプレイに、ロールス・ロイスのオーナー専用のプライベート・メンバーズ・アプリケーション、Whispers(ウィスパーズ)を統合。クルマに目的地を送信したり、車両の位置確認や施錠をリモートで管理したりすることができるSPIRIT(スピリット)オペレーティング・システムも組み込まれているのだが、ビスポーク・プログラムではハードウェアだけでなく、画面の表示やカラーリングの変更といったソフトウェアのカスタマイズも可能となっている。

さらに1400Wアンプを備えた18スピーカー・オーディオ・システム、新しいイルミネーテッド・フェイシア、グレー・ステンド・アッシュ、デュアリティ・ツイルといった新素材の採用、インターネット接続、動画ストリーミング機能を強化など、装備の充実、アップデートも施されている。



6.75リッターV12ツインターボ

ノーズに収まる571psの6.75リッターV12DOHCツインターボに大きな変更はないが、わずか1600rpmで最大トルクを発生するエンジン特性により、Waftability(ワフタビリティ=浮遊性)と呼ぶ、スムーズで切れ目がないロールス・ロイスならではのドライバビリティを実現。

またカメラで前方の道路を読み取り、路面の変化に合わせてサスペンションを可変させるフラッグベアラー・システム、アッパー・ウィッシュボーンに備えた連続可変の電子制御ショック・アブソーバーとセルフレベリング機構付きの大容量エアストラット・アセンブリにより滑らかでフラットな「マジックカーペット・ライド」を実現するプラナー・サスペンション・システム、GPSデータを利用してカーブの曲率に応じた最適なギアを選択する8段ATサテライトエイデッドトランスミッションも従来通りで、あらゆる道路状況に適応し、比類なき静粛性と、卓越したダイナミズムとアジリティを融合させたゴースト・スリーズIIの走りを支えている。

ゴースト・シリーズIIでは、他のロールス・ロイス・サルーンの例に漏れず、ホイールベースを延長してリア・ドアと開口部を拡張することで、リアの居住スペースを170mm拡大したゴースト・エクステンデッド・シリーズII、さらにスポーティな雰囲気を醸し出すブラックバッジ・ゴースト・シリーズIIもラインナップに用意している。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

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