2024.11.27

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14年30万kmを愛犬たちと走り抜けてきた御手洗さんご夫妻のディスカバリー物語 【誕生35周年企画「私のディスカバリー ストーリー」 episode 1】

シリーズ1回目のオーナーは、2010年型ディスカバリー4 SEにお乗りの御手洗さんご夫妻。

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1989年の誕生以来、オーナーとともに数々の冒険ストーリーと発見の旅を繰り広げてきたディスカバリー。その誕生から35年周年を祝うアニバーサリー・プログラム「私のディスカバリー ストーリー」。オーナーとディスカバリーが紡いだたくさんの物語のなかから、1回目の今回は、2010年型のディスカバリー4 SEに乗る御手洗正夫さん、裕子さんご夫妻のストーリーを紹介する。

歴代7頭の愛犬たちと走った30万km

「やっぱり道具としていいです。あとどこに行っても帰って来られる。スタッドレス履いたら無敵ですよ」

そう話すのは、2010年型ディスカバリー4 SEにお乗りの御手洗正夫さん。御手洗さんは新車で購入してから14年間、30万km以上の道のりをディスカバリーと共にしてきた。

4代目のディスカバリー4がデビューしたのは2009年。



なぜ御手洗さんはそんなに距離を伸ばしたのか? その理由を知るためにある週末の朝、静岡県磐田市郊外、青々と広がる茶畑の中にある“forestpark磐田”を訪れた。

ここはアジリティと呼ばれる、犬とハンドラーと呼ばれる人が一緒に走りながら障害物をクリアして、タイムを競い合うドッグスポーツの練習場。馬術競技の犬版として1978年にイギリスで誕生し、日本では1993年から本格的な競技が始まったこのスポーツを、御手洗さんはご夫婦で20年以上、愛犬たちと共に楽しんでいる。



「4頭のうち3頭がオーストラリアン・シェパードで1頭がボーダー・コリー。競技的にはボーダー・コリーが主流なんですが、20年以上ずっとシェパードが好きなんです、一般生活を含めてね。すでに亡くなった3頭を含めて歴代7頭の犬たちを飼っています。競技を始めたのは、犬を飼うときに運動量を確保しないといけない。何かやった方がいいということでフリスビーから始めたのがきっかけです。でもアジリティだったら人も一緒に走れるので楽しいと2001年から始めました。犬と一緒に頑張って、競技会でのノーミスでできたときはやっぱ嬉しいですね。一体感を感じられて」



この日は練習会ということで、同じスポーツを楽しむ皆さんが多数来場していたのだが、聞けばほぼ毎週のように練習会、そして競技会が日本各地で開催されており、御手洗さんご夫妻も4頭の愛犬と共にディスカバリー4で駆け巡っているのだそうだ。

「先々週は福島、先週は横浜。そして来週は広島の福山で、大阪に2回行って、年末は四国の徳島ですね。だから仲間には20万km、30万km走ってる人なんてザラにいますよ(笑)」



通常、朝6時に会場入りして8時から競技開始。しかもコース図は事前公開されず、当日の初めに7分間だけハンドラーが見て順番にどうハンドリングするか決め、幾つもの障害物が組まれた200mのコースを走る。正確性とタイムが求められる、いわば自動車のジムカーナのような競技だ。それゆえ、人、犬ともにどこでもどんな状況でも安全に移動でき、疲れないクルマが必要だったと御手洗さんはいう。

大型犬用のケージが4つ収まったことが決め手になった

ディスカバリー4と呼ばれる4代目ディスカバリーがデビューしたのは2009年のこと。ラダーフレームとモノコック・ボディを組み合わせたインテグレーテッド・ボディ・フレームに前後独立懸架サスペンションを採用したディスカバリー3の正常進化型というべきモデルで、日本仕様ではそれまでの4.4リッターV8に代わり、5リッター直噴V8DOHC“AJ-V8 Gen-III”エンジンを採用したのが大きなトピックといえる。



「それまでずっとドイツ車のワゴンに乗ってました。ランドローバーはこれが初めてだったのですが、前から乗ってみたかったので、出た時に“これだな”と」

そこで決め手になったのは、リアに大型犬用のケージが4つ無理なく収まることだった。

「それまでのワゴンは3つしかケージが乗らなかったので、4つケージが収まるクルマが欲しかった。ただ普段も乗るとなるとワンボックスバンではしんどい。他のメーカーのSUVも見ましたが、折り畳んだリヤシートがフロア下に収まって完全フラットになるし、テールはダブルゲートになって犬が飛び乗る時にもちょうどいいし、人も座れるなど使い勝手が全然違った。最初は車体が大きいと家内が躊躇してましたが、これなら大丈夫と今は北海道から九州まで日本中走ってますよ」



という通り、奥様の裕子さんもお気に入りの様子だ。

「私、四角いクルマが好きなんです。あとはスピードが出るところ(笑)。悪天候でもユラユラ揺れないのもいいですね。揺れると人間も犬も疲れちゃう。あと一度高速道路で追突されて前後サンドウィッチになったことがあったんですが、相手は結構潰れちゃったのに、ウチのはバンパーが落ちたくらいで、私も犬たちも平気だった。そこも安心です」

40万kmまで走りたい

また郊外や山間部に会場があるケースが多いため、本格的なオフロード性能を持っていることも強みになると裕子さんは話す。

「前のワゴンは車高が低かったから雨がすごいときに埋まってエンストしたこともあったけど、これは風の時でも、大雨の時でも大丈夫。あと雨が降ると会場の駐車場がドロドロになることが多いんですが、そういう路面でも平気なのはいいですね。3回くらいスタックしたクルマを牽引したこともあります」



左右非対称のバックドアのデザインは今見ても斬新だ。

しかも驚くことに、この14年間トラブルらしいトラブルには、見舞われていないという。

「1度、スターターモーターがダメで動かなくなったことがあったくらいかな。エアサスは1度コンプレッサーを交換しただけでトラブルはありません。足回りで言うと、1度フロント片側のハブベアリング、2回全ブッシュ交換をしていますが、替えたら元通りになるのが良いですね。あと驚異的なのはATフルードを1回も変えていないこと。メカニックにも驚かれるけど、30万kmのうち9割は高速。しかも早朝、深夜の移動が多いので渋滞の中を走らないのが大きいかもしれないです。タイヤも冬場はスタッドレスに替えることもあって、まだ4セット目とあまり減りません」



普段は青空駐車でほとんど洗車もしないという御手洗さんだが、フジ・ホワイトのボディには跳ね石の傷すらほとんどなく、内装も走行距離や、使用環境を思うと驚くほど綺麗で、唯一30万kmを物語るのは、使い込んで光ったレザーステアリングだけだと言ってもいい。それはまた御手洗さんが、いかにディスカバリー4を丁寧に大事に扱ってきたかの証でもある。



「エンジンとかメカは強いですね。エンジンも1万kmごとにエンジンオイルを変えるだけでトラブルはありません。自宅から歩いて行けるところにディーラーがあって、営業の人がクラシック・レンジに乗ってる人でよくわかってくれるのもありがたいです。“まさかこんなに長く乗るとは思わなかった”って言われますよ(笑)」

目下の悩みはガソリン代が高い最中、燃費があまり良くないことと、なかなかディスカバリーに代わるクルマがないことだという。トラブルはないとはさらりというが、14年30万kmは、維持にはそれなりの手間もかかっているはず。厳しい目で選択し、一度価値を認めたものは末長く信頼する、そんな御手洗さんが大切にしている英国流の洗練されたスタイルは、犬たちと声をかけ合いながら走る姿にも滲み出ている。愛犬たちと共にディスカバリーを最もディスカバリーらしく“使いこなす”さまは、まるでイギリスのカントリー・ジェントルマンのようだった。

「1年で2万km以上走るので、あと5年で40万km。そこまでは行けるんじゃないかな?」

◆ディスカバリー誕生35周年記念サイト


文=藤原よしお 写真=望月浩彦 撮影協力=forestpark磐田

御手洗さんが練習場所として足繁く通う静岡県のForestpark磐田に集まった仲間たちと記念撮影。

(ENGINEWEBオリジナル)

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