2024.12.27

CARS

フロント・シートの生地を求めてポーランドへ! ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダ 入手困難なパーツを求めてふたたび海外行きを企てる! その4【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#58】

リトアニア・ヴィルニュス空港前の駐車場で出会ったシトロエンC6。ピラー&ルーフをセンス良く別の色にしていた。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円かけての大規模修復後、走り出したエンジン編集部員ウエダによる自腹散財リポート。2023年はポーランドとフランスを訪ね、エグザンティアに関する2つのイベントに参加したが、2024年はなんと自腹で欧州に部品買い付け旅行に行くことになった! 今回は出発までのドタバタを報告する。

欧州への航空券とホテル代で数万円?

2024年の海外行きの目的地は3つ。エグザンティアを今後も乗り続けるためには絶対欠かせない、ストラット・アッパーマウントのリビルド品がある東欧リトアニアのカウナス。



かつてシトロエンに在籍していたエグザンティアのデザイナーが登壇する、XM生誕35周年イベントが開かれるポーランドの首都ワルシャワ。



そしてリポート車とまったく同じ、初期型でグレードはV-SXで、外装色がブルー・モーリシャスで、内装が青い格子柄という解体車のあるポーランド南の都市、オポーレ。この3つの土地を繋いでいくのは、面白くもなかなか骨の折れる作業だった。



なにせこの買い付け旅行、当然全部自腹である。リポート車はさほど目立ったトラブルもなく落ちついているように見える(だけ?)だが、2024年の春は路上復帰後はじめての車検の時期だ。いかに旅費を抑えるかが肝だ。

日程的にどうしても動かせないXM生誕35周年イベントがあるのは2024年5月25日。これと前後してカウナスとオポーレをどう攻めるか……。2023年春のエグザンティア生誕30周年の時は、もう勢いだけで飛行機を手配したからかなり高くついたのだが、今回はある程度考える時間があった。

最初に思いついたのは、ポーランドの首都ワルシャワにまず向かい、35周年イベントに参加し、その後オポーレやリトアニアのカウナスをレンタカーでぐるりと回るというもの。しかし地図とにらめっこしてみると、ワルシャワを起点にカウナスとオポーレはちょうど反対方向だった。しかもワルシャワからカウナスは400km以上、ワルシャワからオポーレは300km以上ある。両方の都市を回るとなると、1400km以上レンタカーをひとり運転しなくてはならない。

空路はどうか。残念ながらカウナスには近隣に空港はなく、オポーレもポーランドの国内線ならワルシャワから近くの都市まで飛べないことはないが、かなり無駄な移動が多くなる。電車という案も浮かんだが、ポーランド国内の電車は、かなり遅れたり、それどころか普通に1本来なかったりもするよ、と知人から聞いてもいた。



そして散々悩み、様々なウェブサイトを探し続けたおかげだろうか。僕はついに見つけてしまったのである。コロナ禍によって使うことができず、期限切れの迫っていた航空会社のマイルをこのタイミングで上手く使って特典航空券に代えれば、さほど旅費をかけることなくカウナスとワルシャワに行けることに……。

往路と復路の異なる“オープンジョー”や、経由地で滞在ができる“ストップオーバー”という言葉をご存じだろうか。今回の旅なら、リトアニアとポーランドの間だけをバスやレンタカーで移動して到着地と出発地を変更したり、経由地をリトアニアとして短い時間入国するというような手段だ。ここでは詳細は省くけれど、5月25日のワルシャワ到着をマストとし、リトアニアへの移動をいろいろと検討した結果、見事に以下の様に空路が確定したのである。



まず往路が、東京・成田→中国・北京→ポーランド・ワルシャワ→リトアニア・ヴィルニュス。そして復路が、リトアニア・ヴィルニュス→ポーランド・ワルシャワ→東京・成田、というものだ。

運のいいことに、このルートは北京の乗り継ぎで5時間ほどロスするくらいで無駄がない上に、燃料代を追加で要求されない航空会社ばかりだったので、非常にコストが圧縮できる。具体的には、エコノミークラスなら3万円強でこれだけの移動ができてしまうのである。おまけに、余ったマイルはホテルの宿泊代に充てられる。

リトアニアのヴィルニュスから訪問先のエグザンティア維持の要となる部品の再生会社、エラストマーEU(Elastomer.EU)があるカウナスまでの移動も悩んだ。が、同社のチーフ・フューチャー・オフィサー、イルマンタス・ガリニス(Irmantas Galinis)さんによれば、バスもあるけれど、時間の読める電車がベストだ、という。ありがたいことに、丁寧に時刻表や予約サイトまで教えてくれた。

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