2024.12.27

CARS

フロント・シートの生地を求めてポーランドへ! ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダ 入手困難なパーツを求めてふたたび海外行きを企てる! その4【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#58】

リトアニア・ヴィルニュス空港前の駐車場で出会ったシトロエンC6。ピラー&ルーフをセンス良く別の色にしていた。

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リトアニア滞在は24時間以内!?

問題なのは、無駄がない=余裕がない、ということだ。せっかくのリトアニア滞在はおおよそ22時間半しかない。ワルシャワ到着はその翌日の朝、シトロエンXM生誕35周年イベントのまさに当日である。飛行機も電車も、なにか1つでも遅れたりすれば、すべての予定が狂ってくる。なかなかにチャレンジングだ。



もう1つの問題は、航空券の関係で、XMの35周年イベントの終わった後、5月26日と27日の予定がぽっかりと空いてしまったこと。僕はここで、FacebookのXantia PLというエグザンティア乗りのグループで売りに出た、解体車の売り主のいるオポーレに向かうしかない、と考えた。

ところがこの売り主は「エグザンティア1台まるごとでしか売らない」とFacebook上でアナウンス。いくらなんでもそれは無理である。クルマとしてはいちおう形になっているが、自力での移動はすでにかなり困難そうなコンディションだった。それに、例えばドリンク・ホルダーを付けてしまったので穴の空いているフロント・ドア内張の生地も、状態は良さそうだし手を出したいところだが、基本、僕が手に入れたいのはフロント・シートの座面の生地だけなのだ。クルマまるごとというのは、まったくあり得ない話だ。

結局、色よい返事は得られそうになく、オポーレ訪問はいったん今回の旅程から外すことにした。とはいえ帰国日になる5月27日はともかく、日曜日の5月26日に何かできないだろうか。さっそくポーランド語でいろいろと検索してみたところ、ワルシャワから南に100kmとさほど遠くないラドムという街で、この日、クラシック・カーのイベントがあることが分かった。




それくらいの距離なら、ひとりレンタカーで行っても楽しそうだ。僕はXM生誕35周年イベントの主催者で、ポーランドでフランス車の情報を発信しているウェブサイト、francuskie.pl代表のイエンドジェイ・フミレフスキ(Jedrzej Chmielewski)さんに、とりあえず決まったすべての予定と、もし可能ならこの日程で会えるポーランドの専門家やクルマ好きを紹介して欲しいと伝え、5月26日と27日はフリーにしておくことにした。

リトアニアでは超バタバタになりそうだから、初夏のポーランドで、少しくらいゆっくりするのも悪くない。

ところが、出発が差し迫ってきた5月中旬、オポーレのエグザンティア解体車の売り主が、まるごと1台ではもう売れないと察したのか、急にクルマから部品を外して販売すると言い出したのである。なんと日本を発つ前日になって、彼との交渉は始まったのだった……。

5月26日、日曜日にワルシャワからラドムまで行ってイベントに参加した後、どうするか。そこからさらに南西300kmのオポーレに移動する? レンタカーで? いや電車で? そもそも何処のホテルに泊まる? いまのホテルの予約はキャンセル? もしオポーレに行けたとして、日本に帰る翌27日夕方の飛行機が出るワルシャワまで、いったいどうやって戻る? ……こうして結局旅の後半のスケジュールは何も決まらないまま、僕は成田空港に向かうことになったのである。



さて次回以降はリトアニア篇、ではなく、ちょっとまた時計の針を巻き戻し、エグザンティアの2023年の冬から2024年の春にかけての、いいニュースと、悪いニュースについてご報告していく。前者は、実はすでに新潮社ENGINE本誌で公開済みなので、その後の経過を少々。後者は、ご期待通り、旧いハイドローリック・シトロエン乗りなら誰もが苦悩する、緑の液体LHMとの壮絶な戦いについて。そう、このハイドロ車の血液ともいえるLHMの通る複雑な配管との悪戦苦闘の日々は、結局2023年末にはじまり、春の車検を挟んで、なんとまるまる3カ月も続いたのだった……。

■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2024年1月時点までの支払い総額は279万2253円)
導入時期 2021年6月
走行距離 18万3680km(購入時15万8970km)

文と写真=上田純一郎(ENGINE編集部)

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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ちょっと古いクルマが面白い!

(ENGINEWEBオリジナル)

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