2024.12.20

CARS

冬だ!オープンカーに乗ろう! プジョー307CCのオーナーにその魅力を聞きました!「トコトコ走っても屋根を開ければ楽しい」

プジョー307CCとオーナーの黒子さん。

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プジョー307CCに乗るときはわざわざ実家までクルマを取りに行くという黒子貴仁さん。黒子家の4人乗りオープンカーは、ハレの日専用なのです。

青いボディのプジョー307CCを見て思わず懐かしいと叫んでしまった。私はVWゴルフIIからプジョー307に乗り換えた経験がある。当時VWゴルフはIVの世代でIIからIVという乗り換えも考えたが、真面目さだけが取り柄のようなVWゴルフのキャラクターに飽きていた。ちょっとおしゃれなライバル車、プジョー307に惹かれたのだ。

ハッチバックのプジョー307に電動格納式メタルトップを持ったCC(クーペ・カブリオレ)が追加されたのは2003年。

私のプジョー307はヘッドライト・カバーは曇り、ボディも色褪せてしまうという悲しい晩年だったけれど、目の前に停まった青いプジョー307CCは新車のように輝いている。丸みを帯びたスタイリングが可愛らしい。

オーナーは黒子貴仁さん。2004年式のプジョー307CCを2020年1月に購入した。

「マツダ・ロードスターに乗っていたときに、オープンカーは楽しいと感じました。子供が出来て家族で乗れるメタルトップの4人乗りオープンカーを探しました。307CCのほかにはボルボC70やVWイオスも候補にあがりましたが、ボディの大きさや個体のコンディションを考慮し、このクルマに決めました」



とてもおだやかな口調で購入のいきさつを話す黒子さん。どこも尖ったところのないプジョー307CCのキャラクターと持ち主は見事にシンクロしている。

真っ赤な夕焼け

黒子さんのオープンカー初体験は大学生のときだった。大学の自動車部に所属していた黒子さんは友人の運転するマツダ・ロードスターに乗り、那須高原へ出かけたという。

「夕方、空が夕焼けに赤く染まったんです。見上げると空全体が真っ赤でした。これが強烈な体験で自分もいつかロードスターを買おうと思ったんです」

黒子さんの醸し出す雰囲気がとても柔和なので、体育会系自動車部だったことに少し驚く。

「自動車部ではジムカーナやダート・トライアルをやっていました。EP82のトヨタ・スターレットなんかに乗っていました。いまでもサーキット用にR34型の日産スカイラインGT-Rを持っています」

なんと、いまでも自動車部の同期と年に3~4回はサーキット走行を楽しんでいるという。いやはや人は見かけによらぬものだ。



「結婚して妻には自動車の免許を取ってもらいました。もちろんMTで(笑)。買い物用のクルマがGT-Rというわけにもいかないので、前から欲しかったマツダ・ロードスターを購入しました。つまりロードスターは本来、妻用でした」

免許を取ったらいきなりMTのマツダ・ロードスターという奥さんも大変だったかもしれない。しかし、愛はすべてを飲み込むのである。

マツダ・ロードスターからVWポロGTIに乗り換え、VWポロGTIはメルセデス・ベンツC200(W204)になった。



「現在、我が家にはC200とGT-Rがあります。307CCは私の実家に置いてあるんです」

普段使いのクルマとしてC200、サーキットを走るために日産スカイラインGT-Rがあるのだという。

「307CCは完全にレジャー用です。家族で307CCに乗ってドライブするときは、私が前もって取りに行くか、家族でC200に乗り実家に行き、307CCに乗り換えて出発するということになります」

黒子さんが307CCに乗るときは、わざわざ実家まで行くということになるので、季節と天気がいいドライブ日和にステアリングを握ることが多いという。レジャー専用307CCはまさにハレの日のクルマなのである。

「決め打ちで乗るわけですから、屋根を開けることが多いです。伊豆高原の桜並木なんかを走ると最高です。これからは表参道のイルミネーションが楽しみです」

小学校2年生のお嬢さんも屋根の開く307CCを喜んでいるそうだ。

日本仕様のCCはレザー・シートが標準装備だった。コンディションは良。

黒子さんが特に気に入っているのはブラウンのレザー・シートだという。

「すごく掛け心地がいいんです。C200、GT-R、そしてロードスター、どれと比べても長距離が最も楽なのは307CCだと思います」

長く乗ろうと思い、307CC購入時はいろいろとチェックをしたのだという。

「プジョー307の4ATはすこぶる評判が悪くて(笑)。ソレノイド・バルブを交換してもらいました。バルブが壊れると3速固定とかになってしまうので。それでもDレンジからリバースの切り替えなんかは、すごく遅いです。クルマが“ゆっくり走ってね”と言っているみたいです。このクルマのキャラクターに合ってますね」

メタルトップの収納およびオープン時の荷室容量を確保するためリアのオーバーハングが伸ばされたが、お尻が間延びしている印象はない。オープン時は204リッター、クローズド時は350リッター容量のトランクを持つ。「思いのほか荷物が積めるので助かっています」(黒子さん)。

初めて307CCに乗ったときはあまりにも遅いのでびっくりしたそうだ。

「トコトコ走っても屋根を開ければ楽しいというのが、307CCの良いところですね。森の匂い、夕焼け、鳥やヒグラシの声など自然がダイレクトに伝わってきます。冬こそオープンカーですか? 確かにそうですね。夏は開けません。夏だ! 海だ! オープンカーだ! というイメージがありますけど、本当にやったら暑くて倒れますよ(笑)」

黒子家のレジャー専用カーとしてずっと乗り続けるんですね?

「あ、メルセデスのEクラス・カブリオレ(A207)があるとC200と307CCの両方の良さを1台に凝縮できるかな? と(笑)」

クルマ好きの夢は尽きない。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=小林俊樹

(ENGINE2025年1月号)

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