2024.12.12

CARS

最後の純エンジン車としては最高のチョイス ポルシェ911カブリオレにモータージャーナリストの国沢光宏が試乗

ポルシェ911カレラ・カブリオレに乗って、あまりに気持ちよかったので、またしてもオープンカーに乗りたくなってきてしまった。

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かつて同時に4台のオープンカーを所有していたという自動車ジャーナリストの国沢光宏氏は、肌寒くなってきた都心の朝、ポルシェ911カブリオレに乗って、何を思ったのか。

麻雀をしない人からすれば解りにくい“例え”になって申し訳ないが、クルマ好きにとってオープンカーは2翻役くらいのプラス価値を持つ。御予算100万円以下で買える中古車であっても普通のクルマとまったく違う楽しさを味わえるし、911のような“満貫級”モデルであれば、裏ドラが2つ乗るようなもの。高速道路やワインディング・ロードに行かなくても楽しめるクルマになる。 



この仕事を40年以上やっていると、いろんなクルマに乗る。使われている写真は(カメラマンが上手だし)いかにも楽しそうに見えるが、断固「仕事です!」。とはいえ天気の良い早朝の都内で911のソフトトップを開けて走ったら「やっぱ気持ちいいですね」になってしまう。先日レクサスLC500コンバーチブルに乗った時も「いいね!」と思ったが、911も引き込まれる。 

何を隠そうオープン好きだ。一時期はフォルクスワーゲン・カルマンギア・コンバーチブルと、ダットサン・フェアレディ2000(SRL311)、ユーノス・ロードスター、ホンダ・ビートを4台同時に持っていたことがあるほど。屋根を開けた途端、まったく違うクルマになるから面白い。大好物のルートは湘南海岸沿いを走る134号線。鶴岡八幡宮から海へ向かうストレートを抜け、材木座海岸手前で屋根を開けて134号線に入る時の気持ちよさときたら、文句なし。

 


とはいえ早朝の都内もステキだ。さすがに夏場は蒸し暑さに負けるけれど、秋の乾いた風が吹き、さらに冬に入って空気がいっきに冷たくなると、もはや満貫+αじゃなく役満級の“上がり感”になる。オープン・モデルを持っていた時は、羽田や成田に着くと、必ず屋根を開けて帰ってました。仕事が終わった充実感を味わえるのだった。何より移動が楽しくなる。

もはや貴重な存在 

911カブリオレだった。ここにきてオープン・モデルが続々と終売になってきた。メルセデスはSLとCLEだけ。BMWも4と8シリーズと、Z4しかカタログに残っていない。フォルクスワーゲンなんか無し。手頃な価格で買えるのはミニだけに、という寂しい状況。911カブリオレとボクスター、希少な存在になりつつある。最後のエンジン車を考えている人からすれば、魅力的な存在だと思う。 

ダッシュボード下のブラックとボルドー・レッドのデュオ・トーン仕上げをはじめ、“930”という往年の911を思わせる名のレザーのパッケージがクラシカルな雰囲気を強調する。


では911カブリオレは、屋根付きの911とどう違うか? もちろん普通の911だって素晴らしいクルマだ。純粋なスポーツカーとして存在しながら、毎日の相棒として使える。大きくなったとはいえ全長は4519mmとCセグメントのハッチバックと同等に収まっており、全幅は1852mmで最近売れ筋になっているDセグメントSUVの1900mm級ボディと比べたら取り回しも楽。フェラーリやマクラーレンより気軽に乗れる。

ベンチレーション内蔵のスポーツ・シート、ヒーター付きのステアリング・ホイールなど冬の早朝ではありがたい装備も。


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